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第1章 さくら
いつも少し遠慮がちに話しかけてくる山崎さんを、少し可愛いなと思いながら微笑む。
途端に山崎さんは目をそらし、頬が赤く染まる。

「行こう。」

2人で並んで屯所まで歩いてゆく。
たまにこうして2人で歩くことがあるが、いつももくもくと歩く。時々 何か話しかけてみるのだが、なかなか会話が続かない。前にユキちゃんや霧里さんに、山崎さんは女の人が苦手と聞いたことがある。それなのに迎えに来ていただいて申し訳なく思っていると、ふいに山崎さんがチラリとこちらに目を向けた。
…?
けれど、すぐにまた目を逸らされてしまった。
心なしか山崎さんの頬が赤い気がする。

完全に辺りが暗くなった頃に土方さんの部屋の前についた。 屯所は男ばかりで危ないと、山崎さんはいつも部屋の前まで送ってくれるのだ。

「ありがとうございました。また四季に食事しに来てくださいね」

と言うと、山崎さんは耳まで真っ赤に染めながら

「…ああ。」

とだけ言って、踵を返して行ってしまった。

襖の外からそっと声をかける。

「…土方さん。さくらです。」
「あぁ。…入れ」

部屋に入ると、眼鏡をかけて文机に向かっていた土方さんがチラリと目線だけ寄越し、

「迎えに行けなくて悪かったな」

と言う。眼鏡を外し、こちらに向き直る。
眼鏡の土方さんも素敵だな、と思い、どこかボンヤリしていると、ふいに目の前に影が差す。
はっと顔をあげると、鼻がぶつかりそうな距離に土方さんがいた。

「考えごとか?」

にやりと笑いながら顔を覗き込んでくる。

「いえ」と口にしようと口をあけようとしたが、すぐさま唇が重ねられ、言葉にはならなかった。

「…んっ」

何度も啄ばむような口づけを繰り返されて、身体の奥がジワジワと熱くなってくる。
口づけだけでこんなに心地よい。うっとりしながら土方さんの口づけを受け止めていく。
土方さんの唇が頬、首筋へと移動してきた。
首筋に唇が這うだけで、ドギマギする。私はまだ、こういう行為に慣れていないのだ。土方さんの動きの一つ一つに翻弄される。自分からも何かした方がいいのかと思うのだけど、どうしていいのか分からず、されるがままだ。 それに、ドキドキと心臓が騒ぎたて、身体中が熱くなって、自分から土方さんを喜ばせる余裕もまだないのだ。
土方さんの熱い息が首筋に当たり、帯がゆっくりとほどかれていく。
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