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Love adventure
第17章 マカロン②
「ただいま……」
部屋の中の空気はひんやりとして出かけた時のままの状態だった。
「智也?いないの?」
ほなみは、思わず安堵の溜息を吐く。
青い薔薇の大半はcallingに飾り、残りの数本は智也の寝室に飾った。
正直要らないと思った薔薇だが、家に飾っていないのは流石にまずい。
リビングやキッチンに置く気分にはなれなかった。
食欲が無くなるような気がする。
浜田がくれた特製サンドイッチを冷蔵庫に入れると、ピアノの前に腰かける。
今日のバタバタを頭の中で再現すると笑いが込み上げてきた。
浜田は、お手製の料理を振る舞ってくれて、4人でワイワイ食事をしたのだが――
本当に楽しいひと時だった。
**
「ちょーっと早いけどホワイトデーだよ?!」
浜田がマカロンを作ってくれた。
白い葉の形の皿の上に載せられた菓子は、一粒の宝石のように見える。
「凄い!可愛い!写真撮っていいですか?」
ほなみははしゃぎ、スマホで色んな角度から撮影した。
「浜田さんて顔に似合わず器用だよな」
亮介が笑う。
「女の子ってこういうの好きだよねーーそういや祐樹もこういう可愛いもの大好きだよな」
三広が呟いた。
「……そうなの?」
ほなみは、内心ドキドキしながら訊ねる。
「奴は大の甘党だね。バースデーには何度もケーキを作って届けたけど、ひとりで殆ど喰ってたらしいねえ。
『スウィーツは立派な栄養素でビタミンだ!』ていう奴の名言があるんよ。て、眺めてないで食べなさいよ?」
浜田に促されるが、あまりにも可愛いそのピンクのお菓子をすぐに食べてしまうのはもったいない気がして、ほなみは本気で躊躇していた。
「このマカロンはねっ?ほなみちゃんに食べられるために存在してるんだよっ!
勿体なくて食べられないとか駄目だよ?マカロンが泣くし僕も泣くからねっ?
真剣な顔で説得しているが、パンダのエプロンで話す姿はどう見ても怪しい。
部屋の中の空気はひんやりとして出かけた時のままの状態だった。
「智也?いないの?」
ほなみは、思わず安堵の溜息を吐く。
青い薔薇の大半はcallingに飾り、残りの数本は智也の寝室に飾った。
正直要らないと思った薔薇だが、家に飾っていないのは流石にまずい。
リビングやキッチンに置く気分にはなれなかった。
食欲が無くなるような気がする。
浜田がくれた特製サンドイッチを冷蔵庫に入れると、ピアノの前に腰かける。
今日のバタバタを頭の中で再現すると笑いが込み上げてきた。
浜田は、お手製の料理を振る舞ってくれて、4人でワイワイ食事をしたのだが――
本当に楽しいひと時だった。
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「ちょーっと早いけどホワイトデーだよ?!」
浜田がマカロンを作ってくれた。
白い葉の形の皿の上に載せられた菓子は、一粒の宝石のように見える。
「凄い!可愛い!写真撮っていいですか?」
ほなみははしゃぎ、スマホで色んな角度から撮影した。
「浜田さんて顔に似合わず器用だよな」
亮介が笑う。
「女の子ってこういうの好きだよねーーそういや祐樹もこういう可愛いもの大好きだよな」
三広が呟いた。
「……そうなの?」
ほなみは、内心ドキドキしながら訊ねる。
「奴は大の甘党だね。バースデーには何度もケーキを作って届けたけど、ひとりで殆ど喰ってたらしいねえ。
『スウィーツは立派な栄養素でビタミンだ!』ていう奴の名言があるんよ。て、眺めてないで食べなさいよ?」
浜田に促されるが、あまりにも可愛いそのピンクのお菓子をすぐに食べてしまうのはもったいない気がして、ほなみは本気で躊躇していた。
「このマカロンはねっ?ほなみちゃんに食べられるために存在してるんだよっ!
勿体なくて食べられないとか駄目だよ?マカロンが泣くし僕も泣くからねっ?
真剣な顔で説得しているが、パンダのエプロンで話す姿はどう見ても怪しい。