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Love adventure
第26章 盗み見られた、愛
「……あの女といいお前といい……虐めたくなる表情をしてくれる……」
「はあっ!?」

 綾波は小さく笑い、濡れた指の飛沫を三広に思い切り浴びせた。

「ほら。少し頭を冷やせ」
「つめたっ!」
「行くぞ」
「ちょっ…待ってよ」

 三広は慌てて追いかけたが、綾波が急に歩みを止めたため、背中に鼻をぶつけてしまう。

「なんだよ!急に立ち止まんなよ!……ふぐっ」

 綾波が無言で三広の小さな口を掌で塞いだ。

「んん?……なにっ」
「静かに」

 三広は、綾波の視線の先をみとめ、あっと叫びそうになる。
 寝室のドアが5センチほど開いているのだ。
 暗い室内の二人の気配を感じ取り、思わずごくりと喉を鳴らし、綾波の手を突っついた。

「綾ちゃ……覗きはだめ!」
「いいから、見とけ」
 
 綾波は、三広の口を塞いだまま妖しく笑った。

「なっ……悪趣味だってば……むぐぐ」

 三広は、いけないと思いつつも、目を懲らして部屋の奥を見つめてしまう。
 すると、小さな悩ましい息遣いが聴こえてきた。
 三広の身体の全神経が、カッと目覚めた。
 祐樹の息遣いなのか、ほなみの物なのか、どちらにしても聴きたくなかった。



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