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Love adventure
第37章 惑わすBEAT⑤
「――あぐりっ」
「稲川さ……んっ」
長い時間をかけて掻き回されて、痛みなのか快感なのかわからなくなった瞬間、彼は全身を震わせて果てた。
突き刺していた猛りを引き抜くと、シーツが鮮やかな色に染まる。稲川の唇が震えた。
「――初めて…だった?」
堪えていた物が一気に崩れ去り、肩を震わせて泣き出したあぐりを逞しい腕が抱き締めた。
髪を優しく撫でられていると痛みを忘れてしまうような気がした。
「……俺が好きかい?」
彼が、甘い声で訊ねる。
「大好き……」
「俺も大好きだよ」
「……嬉しい」
あぐりは、涙を溜めた目で稲川の胸の中から彼を見つめた。
嬉しくて舞い上がって、何処までも飛んで行けそうなこの気持ちーーどんな言葉でなら彼に伝えられるのだろう。
あぐりが何かを言おうと口を開きかけた時、稲川は真顔になり、低い声で言った。
「俺の恋人になるなら、一つだけわかって欲しい」
「――?」
「君と俺は、一生の恋人どうしでいよう」
言葉にすると素敵な響きだが、何故かあぐりにはそう聞こえなかった。
彼は、あぐりを見つめ、涼やかな声で言った。
「――ずっと恋人で居よう。家族にはなれない――」
――恋が叶ったと同時に、粉々に打ち砕かれた瞬間だった。
「稲川さ……んっ」
長い時間をかけて掻き回されて、痛みなのか快感なのかわからなくなった瞬間、彼は全身を震わせて果てた。
突き刺していた猛りを引き抜くと、シーツが鮮やかな色に染まる。稲川の唇が震えた。
「――初めて…だった?」
堪えていた物が一気に崩れ去り、肩を震わせて泣き出したあぐりを逞しい腕が抱き締めた。
髪を優しく撫でられていると痛みを忘れてしまうような気がした。
「……俺が好きかい?」
彼が、甘い声で訊ねる。
「大好き……」
「俺も大好きだよ」
「……嬉しい」
あぐりは、涙を溜めた目で稲川の胸の中から彼を見つめた。
嬉しくて舞い上がって、何処までも飛んで行けそうなこの気持ちーーどんな言葉でなら彼に伝えられるのだろう。
あぐりが何かを言おうと口を開きかけた時、稲川は真顔になり、低い声で言った。
「俺の恋人になるなら、一つだけわかって欲しい」
「――?」
「君と俺は、一生の恋人どうしでいよう」
言葉にすると素敵な響きだが、何故かあぐりにはそう聞こえなかった。
彼は、あぐりを見つめ、涼やかな声で言った。
「――ずっと恋人で居よう。家族にはなれない――」
――恋が叶ったと同時に、粉々に打ち砕かれた瞬間だった。