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Love adventure
第37章 惑わすBEAT⑤
彼の腕の力が次第に強くなり、あぐりは息苦しくなる。
切なげに吐息を漏らすと、彼が低い声で呟いた。
「……本当に馬鹿だな。傷を作ってまで……」
「だって悔しかったんだもん」
「あんな物で良ければ、いくらでもあげるよ」
「……要らない」
「えっ?」
「そんな物より……キスを下さい……」
震える声であぐりがそう言うと、彼の鋭い目が大きく見開いた。
次の瞬間、あぐりの身体がベッドに沈められた。
稲川の唇や舌は、あぐりの切れた唇を愛おしむようになぞり、膝の傷を優しく舐めた。
「君の名前を……まだ聴いてない」
あぐりのシャツを捲り、膨らみを弄びながら僅かに上擦る声で稲川が言う。
「……あぐり……」
くすぐったさに悶えながら教えると、彼は口元を軽く歪ませた。
「かわいい――名前だ」
(そんな言葉……他のファンの子にも言ってるんじゃないの……?それでもいい……
今だけは……私の名前を呼んで――)
彼の心地よい低い声で呼ばれ、あぐりは泣きたい程の幸福に酔い、胸にしがみついた。
「好き……好きなの」
「俺も……ステージから君をひと目見ただけで……恋をしたよ……」
「嘘ばっかり……」
「本当だよ」
部屋の天井にも小さな花達が描かれていた。
天蓋付きのお姫様ベッドは薄い美しいベールで包まれていたが、その中で行われていた行為はとても淫らで、残酷だった――
春の花畑のような柄のシーツをあぐりの指先がつかみ、突いてくる彼の烈しさを耐えていた。
彼が動く度に世界は揺れてあぐりの身体も揺れる。
苦しげに名前を呼ぶ彼の唇がたまらなく愛おしい。
切なげに吐息を漏らすと、彼が低い声で呟いた。
「……本当に馬鹿だな。傷を作ってまで……」
「だって悔しかったんだもん」
「あんな物で良ければ、いくらでもあげるよ」
「……要らない」
「えっ?」
「そんな物より……キスを下さい……」
震える声であぐりがそう言うと、彼の鋭い目が大きく見開いた。
次の瞬間、あぐりの身体がベッドに沈められた。
稲川の唇や舌は、あぐりの切れた唇を愛おしむようになぞり、膝の傷を優しく舐めた。
「君の名前を……まだ聴いてない」
あぐりのシャツを捲り、膨らみを弄びながら僅かに上擦る声で稲川が言う。
「……あぐり……」
くすぐったさに悶えながら教えると、彼は口元を軽く歪ませた。
「かわいい――名前だ」
(そんな言葉……他のファンの子にも言ってるんじゃないの……?それでもいい……
今だけは……私の名前を呼んで――)
彼の心地よい低い声で呼ばれ、あぐりは泣きたい程の幸福に酔い、胸にしがみついた。
「好き……好きなの」
「俺も……ステージから君をひと目見ただけで……恋をしたよ……」
「嘘ばっかり……」
「本当だよ」
部屋の天井にも小さな花達が描かれていた。
天蓋付きのお姫様ベッドは薄い美しいベールで包まれていたが、その中で行われていた行為はとても淫らで、残酷だった――
春の花畑のような柄のシーツをあぐりの指先がつかみ、突いてくる彼の烈しさを耐えていた。
彼が動く度に世界は揺れてあぐりの身体も揺れる。
苦しげに名前を呼ぶ彼の唇がたまらなく愛おしい。