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Love adventure
第38章 星の瞬きよりも ①
オーブンからクロワッサンの焼ける香ばしい薫りが漂い、鍋の中では、コトコト音を立てながらカラフルな野菜が踊っている。
食器棚からコーヒーカップやお皿などを出していたら、不意に後ろからフワリと抱き締める腕があった。
「きゃっ!」
ほなみは、食器を落としそうになり振り返って抗議しようとしたが、腕の主の顔を見てそんな気持ちは一瞬で吹っ飛ぶ。
「……おはよ。ほなみ」
「おはよう……西君」
起きたばかりなのだろう。まっすぐな髪が一カ所だけピンと触角みたいに撥ねていて可愛い。
紺と白のストライプのパジャマ姿の彼が、後ろから首筋にキスをしてきた。
「擽ったい……」
「いい匂いで目が覚めちゃった。パン焼いたの?」
「うん……あんまり上手じゃないけど」
「すっげ楽しみ」
「うふふ。好評だったらまた焼くね」
東京に来て三日目の朝を迎えた。
夜は彼と一緒に眠り、朝からこうしてキッチンで話を出来るなんて夢のようだ。
幸せ過ぎて、この先の事なんて考えたくなくなってしまう。
食器棚からコーヒーカップやお皿などを出していたら、不意に後ろからフワリと抱き締める腕があった。
「きゃっ!」
ほなみは、食器を落としそうになり振り返って抗議しようとしたが、腕の主の顔を見てそんな気持ちは一瞬で吹っ飛ぶ。
「……おはよ。ほなみ」
「おはよう……西君」
起きたばかりなのだろう。まっすぐな髪が一カ所だけピンと触角みたいに撥ねていて可愛い。
紺と白のストライプのパジャマ姿の彼が、後ろから首筋にキスをしてきた。
「擽ったい……」
「いい匂いで目が覚めちゃった。パン焼いたの?」
「うん……あんまり上手じゃないけど」
「すっげ楽しみ」
「うふふ。好評だったらまた焼くね」
東京に来て三日目の朝を迎えた。
夜は彼と一緒に眠り、朝からこうしてキッチンで話を出来るなんて夢のようだ。
幸せ過ぎて、この先の事なんて考えたくなくなってしまう。