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Love adventure
第39章 星の瞬きよりも ②
 不意に頬に彼の熱い指で触れられ、俯いていた顔を上に向けさせられた。
 少年の様に疲れを知らない、輝くふたつの黒目が、ほなみをとらえている。

「俺は……二度と後ろを向かない!」
「西君……」
「ほなみが居てくれたら……何でも出来る」
「――!」

 力強いしなやかな腕が、優しくほなみを抱き締める。

「絶対に……俺たちは幸福になる……」
「………っ」
 
 ほなみは、何も言葉を返せないままーー想いを込めて彼の身体を抱き締め返した。

 チクタクチクタクチクタク――
 時を刻む音が、やけに大きく楽屋に響く。

『本日はBEATSライブにお越しいただきありがとうございます。
 間もなく開演いたします……開演に当たっての注意事項をお知らせいたします……』

 アナウンスが始まった。
 彼は、ほなみの頭をくしゃりと乱し、笑った。

「……そろそろ行こうか」
「うん……」

 ふたりはしっかりと手を繋ぎ合った。




『魔法の効き目は短い。そして人生は長い――』

 稲川の言葉が胸の中に重くこびりつく。
 また俯くほなみに、西本は振り返り、キラキラした笑顔を向けた。
 ほなみも、笑い返す。

 ――たとえ短い時間だったとしても、魔法にかけられて居たい。
 どちらにせよ、戻れない。
 幕が上がってしまったのだから――



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