この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Love adventure
第39章 星の瞬きよりも ②

不意に頬に彼の熱い指で触れられ、俯いていた顔を上に向けさせられた。
少年の様に疲れを知らない、輝くふたつの黒目が、ほなみをとらえている。
「俺は……二度と後ろを向かない!」
「西君……」
「ほなみが居てくれたら……何でも出来る」
「――!」
力強いしなやかな腕が、優しくほなみを抱き締める。
「絶対に……俺たちは幸福になる……」
「………っ」
ほなみは、何も言葉を返せないままーー想いを込めて彼の身体を抱き締め返した。
チクタクチクタクチクタク――
時を刻む音が、やけに大きく楽屋に響く。
『本日はBEATSライブにお越しいただきありがとうございます。
間もなく開演いたします……開演に当たっての注意事項をお知らせいたします……』
アナウンスが始まった。
彼は、ほなみの頭をくしゃりと乱し、笑った。
「……そろそろ行こうか」
「うん……」
ふたりはしっかりと手を繋ぎ合った。
『魔法の効き目は短い。そして人生は長い――』
稲川の言葉が胸の中に重くこびりつく。
また俯くほなみに、西本は振り返り、キラキラした笑顔を向けた。
ほなみも、笑い返す。
――たとえ短い時間だったとしても、魔法にかけられて居たい。
どちらにせよ、戻れない。
幕が上がってしまったのだから――
少年の様に疲れを知らない、輝くふたつの黒目が、ほなみをとらえている。
「俺は……二度と後ろを向かない!」
「西君……」
「ほなみが居てくれたら……何でも出来る」
「――!」
力強いしなやかな腕が、優しくほなみを抱き締める。
「絶対に……俺たちは幸福になる……」
「………っ」
ほなみは、何も言葉を返せないままーー想いを込めて彼の身体を抱き締め返した。
チクタクチクタクチクタク――
時を刻む音が、やけに大きく楽屋に響く。
『本日はBEATSライブにお越しいただきありがとうございます。
間もなく開演いたします……開演に当たっての注意事項をお知らせいたします……』
アナウンスが始まった。
彼は、ほなみの頭をくしゃりと乱し、笑った。
「……そろそろ行こうか」
「うん……」
ふたりはしっかりと手を繋ぎ合った。
『魔法の効き目は短い。そして人生は長い――』
稲川の言葉が胸の中に重くこびりつく。
また俯くほなみに、西本は振り返り、キラキラした笑顔を向けた。
ほなみも、笑い返す。
――たとえ短い時間だったとしても、魔法にかけられて居たい。
どちらにせよ、戻れない。
幕が上がってしまったのだから――

