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Love adventure
第40章 星の瞬きよりも ③

V
最後のフレーズを西本が弾き終え、何秒間かの静寂の後、誰かが放った
「ブラボー!」
の声から始まり、口笛や大歓声が起こる。
西本と稲川は手を取り合って、深々とお辞儀した。
そしてふたりが同時に投げキッスをすると一際大きな絶叫が起こる。
西本は、こちらに向かってもう一度投げキッスをした。
ほなみがいる場所がステージから良く見えるらしく、西本は何度も繰り返し、彼女に居る方へとキスを投げた。
女の子達が興奮し、中には飛び跳ねて絶叫する姿もある。
まばゆいライトと歓声を浴びる彼を誇らしく思うと同時に、熱い視線を送る女の子達への嫉妬が、ほなみの胸の中でとぐろを巻いていた。
(西君の腕も唇も、全部私の物よ――!)
今すぐ、ここでそう叫びたい。
こんな気持ちになるのは生まれて初めてだった。
(何て身勝手なんだろう。私だって……智也の物なのに――)
唇を強く噛むと、苦い味が広がった。
――そして、今夜の出来事は、これからの波乱の始まりになるのだった――
最後のフレーズを西本が弾き終え、何秒間かの静寂の後、誰かが放った
「ブラボー!」
の声から始まり、口笛や大歓声が起こる。
西本と稲川は手を取り合って、深々とお辞儀した。
そしてふたりが同時に投げキッスをすると一際大きな絶叫が起こる。
西本は、こちらに向かってもう一度投げキッスをした。
ほなみがいる場所がステージから良く見えるらしく、西本は何度も繰り返し、彼女に居る方へとキスを投げた。
女の子達が興奮し、中には飛び跳ねて絶叫する姿もある。
まばゆいライトと歓声を浴びる彼を誇らしく思うと同時に、熱い視線を送る女の子達への嫉妬が、ほなみの胸の中でとぐろを巻いていた。
(西君の腕も唇も、全部私の物よ――!)
今すぐ、ここでそう叫びたい。
こんな気持ちになるのは生まれて初めてだった。
(何て身勝手なんだろう。私だって……智也の物なのに――)
唇を強く噛むと、苦い味が広がった。
――そして、今夜の出来事は、これからの波乱の始まりになるのだった――

