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Love adventure
第40章 星の瞬きよりも ③
『AH 僕は いつから こうして 歌っていたんだろう?
やんちゃな 形をした音符を ずっと追いかけて来た
AH 君は いつからこの世の 愛を知ったんだろう?
身勝手な 恋をして
傷ついて シーツにくるまり隠れていたんだね』
「――!」
ほなみの指が震え、全身に鳥肌が立つ。
それは昨夜ふたりで作った曲だったから――
西本の甘い声は、伸びやかに会場に響き、稲川のギターとピアノの音が絡み合い、素晴らしいアンサンブルを生み出していた。
『たった一つの愛しい気持ち 手放すなんて 出来ないよ
君も同じだろう?
だけど それは
目に見えるけど遠い
掴めそうで 掴めない
だから 一緒に手を伸ばそう
星の瞬きよりも 早く』
ふたりで作り出した曲なのに、まるで違う物に聴こえてドキドキしてしまう。
ステージの彼は神々しいほどに輝いていた。
(――やっぱり、彼はスターなんだわ)
とほなみは実感した。