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Love adventure
第44章 焼けるように愛しい
「もっ……もう!だいたいねーー、私達この間まで他人だったのよ?会ったばかりなのに何を血迷っているの!」
「……俺、血迷ってるのかな」
「うんうん!」
「……稲川さんだって血迷ってあぐりを好きになったんだろ?」
「――っ」
「あれから、稲川さんと話した?」

 あぐりは首を振る。

「……私、よく、わからなくなってきたの……」
「俺はあぐりを放っておいたりしないよ?」

 野村は優しく抱き寄せて頬にキスするが、あぐりはプイとそっぽを向いた。

「……男は皆、最初そう言うのよ」
「俺は違うよ?……多分」
「多分ってあんた」

 あぐりは目を剥く。

「ベットでゆっくり話そうか……」

 耳元で甘く囁かれ、頬が痛い位熱くなり野村の顔を見れないまま、あぐりは小さな声で言った。

「き、今日は……帰って……私、ほなみと話さなきゃ……」

 野村は、あぐりの髪を指で撫でて溜め息を吐いた。

「残念……でもいいよ。あぐりが欲しがった時に沢山抱いてあげるから……うぐっ!」
「もう――バカ――!知らない!」

 あぐりは、恥ずかしさで咄嗟に野村の腹に頭突きをして腕からすり抜けると、彼の呻き声を聞きながらエレベーターに乗り込んだ。

 (ゴメン……沢山殴っちゃったよ……)

 エレベーターの鏡に映る自分の顔がにやけてしまうのが止まらない。




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