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Love adventure
第5章 変わったのは
服を拾い集め洗濯機に放り込み、部屋のブラインドを開ける。
「よいお天気……」
ぽつり、とひとりごちたが、ほなみは浮かない顔だ。
大通りには車やバイクが行き交い、歩道では人々が忙しそうに歩いている。いつもの特別でもなんでもない光景だが、今日はいつもと違うような気がする。
部屋の時計を見ると10時を過ぎていて一瞬慌てたが、寝坊したとしても、特に困るような事などない、と気付き、渇いた笑いをこぼした。
窓を拭きながら、マンションの筋向かいの"calling"をちらりと見た。
今夜、他のミュージシャンがライヴをするのだろうか。
もう"クレッシェンド"がそこに居ないと思うと、胸に穴が空いたような気持ちになる。
パソコンを開くと珍しく智也からメールが届いていた。
今朝おかしな夢を見たせいか、このタイミングだと何だか後ろめたい。
"お元気ですか。昨日は、記念日だったのにメールも出来なくてすみません。
近いうちに日本へ少し帰ります。また連絡します。 智也より"
2月14日が記念日だという事を覚えていたのも驚きだが"近いうちに日本へ帰る"という事にさらに驚いた。
智也の言う"近いうち""もうすぐ"は当てにならないが。
「よいお天気……」
ぽつり、とひとりごちたが、ほなみは浮かない顔だ。
大通りには車やバイクが行き交い、歩道では人々が忙しそうに歩いている。いつもの特別でもなんでもない光景だが、今日はいつもと違うような気がする。
部屋の時計を見ると10時を過ぎていて一瞬慌てたが、寝坊したとしても、特に困るような事などない、と気付き、渇いた笑いをこぼした。
窓を拭きながら、マンションの筋向かいの"calling"をちらりと見た。
今夜、他のミュージシャンがライヴをするのだろうか。
もう"クレッシェンド"がそこに居ないと思うと、胸に穴が空いたような気持ちになる。
パソコンを開くと珍しく智也からメールが届いていた。
今朝おかしな夢を見たせいか、このタイミングだと何だか後ろめたい。
"お元気ですか。昨日は、記念日だったのにメールも出来なくてすみません。
近いうちに日本へ少し帰ります。また連絡します。 智也より"
2月14日が記念日だという事を覚えていたのも驚きだが"近いうちに日本へ帰る"という事にさらに驚いた。
智也の言う"近いうち""もうすぐ"は当てにならないが。