この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Love adventure
第50章 貴方で満たして
(……熱い。あぐりの風邪を貰ったのかしら……)
綾波のマンションを出てから、やり場の無い熱を身体が発している。
ほなみは羽織っていたコートを脱いで電車に乗り込み、バーにつかまり揺られながらぼんやりと窓に映る自分を見ていた。
西本は千葉のラジオ出演で、明日まで帰って来ない。
東京に来てから離れた事が無かったが、既に穴の空いたような感覚に襲われていた。
ミュージックスタイルには、ほなみもサポートメンバーとして出演する事になるらしい。
トークは無しで演奏のみになるそうだ。
まさか自分がテレビに出る事になるなんて信じられない。
そして智也の会社のブランドとのコラボ。
これが今の最大級の難関であり最大の不安だ。
不安どころか、もうこれは戦いとしか思えない。
(夫の居る身でありながら西君に恋して、そして愛されて――
私の事情を知らないままプロポーズしてくれて……
私の気持ちは、西君にしか無いけれど、現実にどのようにしていけばいいのか……)
まずは、打ち明けるのが先だが、彼がどんな反応をするのか怖くてたまらない。
あの澄んだ瞳で、軽蔑の眼差を向けられたら――
想像しただけで、喉の奥が締め付けられて涙が溢れそうだ。
綾波のマンションを出てから、やり場の無い熱を身体が発している。
ほなみは羽織っていたコートを脱いで電車に乗り込み、バーにつかまり揺られながらぼんやりと窓に映る自分を見ていた。
西本は千葉のラジオ出演で、明日まで帰って来ない。
東京に来てから離れた事が無かったが、既に穴の空いたような感覚に襲われていた。
ミュージックスタイルには、ほなみもサポートメンバーとして出演する事になるらしい。
トークは無しで演奏のみになるそうだ。
まさか自分がテレビに出る事になるなんて信じられない。
そして智也の会社のブランドとのコラボ。
これが今の最大級の難関であり最大の不安だ。
不安どころか、もうこれは戦いとしか思えない。
(夫の居る身でありながら西君に恋して、そして愛されて――
私の事情を知らないままプロポーズしてくれて……
私の気持ちは、西君にしか無いけれど、現実にどのようにしていけばいいのか……)
まずは、打ち明けるのが先だが、彼がどんな反応をするのか怖くてたまらない。
あの澄んだ瞳で、軽蔑の眼差を向けられたら――
想像しただけで、喉の奥が締め付けられて涙が溢れそうだ。