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Love adventure
第6章 秘めておくべき想い
ほなみは、callingの入口の壁に貼ってあるクレッシェンドのポスターを見つけ、思わず立ち止まった。
ピアノを立って弾きながら、こちらを見て笑っている西本祐樹の顔の部分を指でそっとなぞる。
幼い少年のような顔立ちだが、時折見せる大人の男の妖しさに惑わされてしまう。
つかめそうでつかめないイメージの不思議さにひと目で心を奪われてしまったのだろうか。
突如、昨日のキスがよみがえり、きゅうっと胸が痛み、ポスターから目を逸らした。
「そうだ、浜田さん……」
ドアが開いていたので、中へ向かって声をかけてみた。
「こんにちは……」
反応がないので、大きな声を出してみたが誰も出てこない。
中へ入って行くと、ホールにはピアノだけがステージ中央に置かれていた。
――西君が弾いた、ピアノ。
ステージに登り鍵盤にそっと触れると、ポーン……と答えてくる。
今度は、少し強く押す。
ピーン……
心地好い高音がホールに響いた。
ほなみは深呼吸してから両手を鍵盤に踊らせ、昨夜の演奏を再現してみる。
彼の伸びやかな声を頭の中で思い描き、夢中で弾いた。
ひととおり弾き終わって大きく息をつくと、大きな拍手が聞こえた。
ビクリとして顔を上げると、入口に浜田、西本、バンドメンバーが居るではないか。
浜田が拍手しながら、ステージに向かって歩いて来た。
「いやあ驚いたよ!ほなみちゃんもピアノ弾くんだね!素晴らしかったよ!」
「す、すみません!勝手に……あっ」
ほなみは慌ててステージから降りようとして、よろめいた。
(落ちる!)
目をつむった時、西本が素早く身体を受け止めて支えた。
彼の身体からふわりと石鹸かシャンプーの香りが漂ってくる。ドキリとすると同時に、強くデジャヴュを感じていた。
(まるで昨日見た夢みたい)
「ご、ごめんなさい」
彼から離れようとするが、離してくれない。
もっと強く身体を抱き締めて来た。
「ちょ、ちょっと、離してくださ……」
「ねえ、昨日と随分感じが違うね?」
ピアノを立って弾きながら、こちらを見て笑っている西本祐樹の顔の部分を指でそっとなぞる。
幼い少年のような顔立ちだが、時折見せる大人の男の妖しさに惑わされてしまう。
つかめそうでつかめないイメージの不思議さにひと目で心を奪われてしまったのだろうか。
突如、昨日のキスがよみがえり、きゅうっと胸が痛み、ポスターから目を逸らした。
「そうだ、浜田さん……」
ドアが開いていたので、中へ向かって声をかけてみた。
「こんにちは……」
反応がないので、大きな声を出してみたが誰も出てこない。
中へ入って行くと、ホールにはピアノだけがステージ中央に置かれていた。
――西君が弾いた、ピアノ。
ステージに登り鍵盤にそっと触れると、ポーン……と答えてくる。
今度は、少し強く押す。
ピーン……
心地好い高音がホールに響いた。
ほなみは深呼吸してから両手を鍵盤に踊らせ、昨夜の演奏を再現してみる。
彼の伸びやかな声を頭の中で思い描き、夢中で弾いた。
ひととおり弾き終わって大きく息をつくと、大きな拍手が聞こえた。
ビクリとして顔を上げると、入口に浜田、西本、バンドメンバーが居るではないか。
浜田が拍手しながら、ステージに向かって歩いて来た。
「いやあ驚いたよ!ほなみちゃんもピアノ弾くんだね!素晴らしかったよ!」
「す、すみません!勝手に……あっ」
ほなみは慌ててステージから降りようとして、よろめいた。
(落ちる!)
目をつむった時、西本が素早く身体を受け止めて支えた。
彼の身体からふわりと石鹸かシャンプーの香りが漂ってくる。ドキリとすると同時に、強くデジャヴュを感じていた。
(まるで昨日見た夢みたい)
「ご、ごめんなさい」
彼から離れようとするが、離してくれない。
もっと強く身体を抱き締めて来た。
「ちょ、ちょっと、離してくださ……」
「ねえ、昨日と随分感じが違うね?」