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第54章 　you　are　mine②

｢は――疲れた。参っちゃった｣

　あぐりは頭をボリボリ掻く。

｢ああなると恋愛も面倒なだけよねえ……はあ……ほなみ？どうしたの？｣

　ガタガタ震えるほなみを見てあぐりはギョッとした。

｢……どうしよう……私｣
｢ほなみ！｣

　あぐりは、ほなみをぎゅっと抱き締めた。

　――野村と稲川のやり取りが、そのまま西本と智也に重なって見えてしまった。
　
　今日、智也の事を、西君に打ち明ける……
　どうなってしまうのか、怖くて堪らなくなった。

｢怖い……っ｣

　あぐりにしがみ付きながら、ほなみの震えはいつまでも止まらなかった。