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Love adventure
第55章  バースデーパーティー
「リーダー……俺って……リーダーなんだよね……でも……体重軽いし……背ぇ小さいし……
 他の長身バンドマンに喧嘩売られたら……マジで……負ける自信しかない……ふふ……アハハ……
 でも……が、がんばらなくっちゃ……でも……怖い……怖いよぉ……っ」

 三広は早くも酔ったらしく、ブツブツ言いながら泣いている。
 亮介はせっせとテーブルの料理を皿に取り分け皆に分けていた。

「はい、あぐりちゃん」

 亮介がお皿を渡すと、あぐりはニッコリ笑った。

「ありがとー」
「沢山食べなよ。もう少し太った方がいいよ」

 野村に言われて、あぐりはムッとして睨んだ。

「言われなくても食べるわよ!それに、そんなにガリガリじゃないわよ!」
「うん。知ってるよ……でも、お尻の辺りとかもう少し大きいほうが――」
「何言ってんのよバカー!」

 妖しく微笑む野村にそう言われ、あぐりは真っ赤になり、金属のトレーで亮介の頭をぶん殴った。

「ぐはあっ!な、何で俺が殴られるのっ?」

 亮介は目を白黒させる。

「あぐり……今朝はゴメン」

 頭を押さえ痛みに呻く亮介をよそに、野村はあぐりの手をそっと握った。

「ううん。何を言われても仕方ないもの……もう私のことなんか嫌いになったでしょ?」

 あぐりはカンパリソーダを口に含んだ。

「……ならないよ」

 ふたりはテーブルの下で指を絡ませた。
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