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Love adventure
第55章  バースデーパーティー
「綾波……さっきの、本気じゃないだろうな!」
「何の事だ」
「だから……ほなみを貰うぞ、とか何とか!」
「さあ、どうかな」

 綾波は妖しく笑いほなみを見た。

「このっ……」

 綾波に掴みかかろうとする西本に、ほなみはしがみつき、キスした。

「ほ……なみ」

 彼が、輝く瞳でほなみを見つめる。

「好き……好き……」
「ほなみ……!」

 再び、ほなみは物凄い力で抱き締められた。
 綾波はそんなふたりを静かな眼差しで見つめていたが、やがて椅子から立ちバーテンに飲み物を頼みに行った。

「もう……絶対に離さない」
「うん……」
「ウザいって言われても離さないからな!」
「うん……でも、ちょっとだけ今離して?」
「えっ」
「外の空気、吸ってくる」
「一緒に行くよ」
「すぐに戻るから、ね?」
 
 ほなみは、西本の頬を両手で挟んで唇に軽くキスした。

「祐樹――!助けてくれ――!三広がまた鼻血――!」

 向こうで亮介が絶叫している。

「やれやれ……」

 西本は溜め息を吐いて、ほなみをゆっくり離した。

「行ってあげて?私もすぐ戻るから」
「うん……本当にすぐだよ?ほなみ」

 ほなみは彼に手を振り、ライブハウスの扉を開け外に出た。
 見事な満月で、昼間の様に明るい。
 澄んだ冷たい空気を胸一杯に吸い込み、ほなみは白い月をうっとり見上げた。
 パーティーが始まるまでの不安な重い気持ちは嘘みたいに消えていて、何でも出来る様な気持ちが湧いてきた。
 伸びをして戻ろうとした時、後ろから屈強な力でつかまえられた。

「何っ――」

 じたばたもがくが、敵わず後ろに引っ張られる。
 口を塞いでいるその手を噛もうとしたら素早く白い布を嗅がされ、途端に身体中の力が抜けていく。
 倒れそうになるのを強い力で支えられた。

「悪く、思わないでね?ほなみさん」

 聞き覚えのある懐かしい声。
 薄れ行く意識の中、そのひとの名前を呼ぼうとしたが、月が雲に隠れるように、ほなみの全ての感覚は闇に沈んだ。



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