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Love adventure
第1章 音符に乗って、君をさらいに行く
最後に男の子がこちらに向かって手を伸ばしてアップになったかと思うと突然画面が切り替わり、CDのジャケットと"クレッシェンド 3rd アルバム「 be a star」"という文字が映った。
既にテレビ画面には女優が草原でビールをおいしそうに一気飲みするCMが流れていたが、リモコンを持ったまま、ぼうっと立ちすくんでいた。
再び先程のCMが映るような事はなく、苛立ちともどかしさが混じったようなため息を吐く。
今のは誰?
今のは何?
「……クレッシェンド……」
そうだ。インターネットで調べれば情報はある。なぜすぐ思いつかなかったんだろう。
慌ててパソコンを開いた時インターホンが鳴る。
「ひゃっ!!」
驚き胸を押さえると、いつも意識していない心臓の動きが今、良くわかる。
一体いつからこんな風になっていたのか。
あのバンドの音を聴いたから?あの声を聴いたから?
心中ではパニックだったが、インターホンにつとめて冷静な声で返事をした。
「はい。岸でございます。」
5秒位の沈黙の後、向こうで爆笑している女の声がして、ほなみは耳を押さえ顔をしかめた。
「……その声は、あぐりね?」
「ひっ……何十回聴いてもおかしい……"岸でございます"て……あんた、普段の声と、ぜんっぜん違うんだもの……」
あぐりはまだ笑い続けている。
ほなみは、やれやれと苦笑し、ロック解除した。
既にテレビ画面には女優が草原でビールをおいしそうに一気飲みするCMが流れていたが、リモコンを持ったまま、ぼうっと立ちすくんでいた。
再び先程のCMが映るような事はなく、苛立ちともどかしさが混じったようなため息を吐く。
今のは誰?
今のは何?
「……クレッシェンド……」
そうだ。インターネットで調べれば情報はある。なぜすぐ思いつかなかったんだろう。
慌ててパソコンを開いた時インターホンが鳴る。
「ひゃっ!!」
驚き胸を押さえると、いつも意識していない心臓の動きが今、良くわかる。
一体いつからこんな風になっていたのか。
あのバンドの音を聴いたから?あの声を聴いたから?
心中ではパニックだったが、インターホンにつとめて冷静な声で返事をした。
「はい。岸でございます。」
5秒位の沈黙の後、向こうで爆笑している女の声がして、ほなみは耳を押さえ顔をしかめた。
「……その声は、あぐりね?」
「ひっ……何十回聴いてもおかしい……"岸でございます"て……あんた、普段の声と、ぜんっぜん違うんだもの……」
あぐりはまだ笑い続けている。
ほなみは、やれやれと苦笑し、ロック解除した。