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第59章 奪還作戦

　ヒュン！

｢――ふせろ！｣

　空を切る音がした時、綾波はほなみを抱えてうずくまる。

｢……危なかったな｣

　綾波の声に顔を上げ、ふたりの前の壁にナイフが刺さっているのを見てほなみの背筋が凍った。
　綾波はナイフを抜き取り、奥の部屋に佇む人物に向かい静かに言った。

｢これはこれは……いつぞやは俺の背中に一撃をくれたよな。
　……もうあの時と同じ様にはいかないぜ？｣
｢この……死に損ないが……ほなみさんから離れなさい｣

　暗がりからゆっくりと姿を現した人物を見て、ほなみは愕然とした。








｢……な、中野……さん！どうして……！？｣