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Love adventure
第64章 夜明けの空は切ない色
「……ろ……やめろ」

 苦しげに譫言を呟くその寝顔には汗が滲んでいた。
 
「――?」
「俺に……構うな!」
「綾波さんっ」

 思わず手を握ると、彼はハッと目を見開く。
 彼はほなみの顔を見て深い溜め息を漏らした。

「起こしたか……すまんな」

 ほなみが綾波のネクタイを弛め、シャツのボタンを外すと、驚いたようにビクリと身体を震わせている。

「……寝るときにこんな風に身体を締め付けるから悪い夢を見るんです」

 ほなみは強引にジャケットもひっぺがす。

「――大胆だな」
「えっ」

 綾波にぐいと腰を抱き寄せられ、至近距離で見つめられた。

「さっき思いとどまったのに……お前はバカか」
「……あんな風に苦しそうにしてたら放って置けません」

 ほなみは緊張しながら、彼の目を真っ直ぐ見つめた。

「眠っている時……何か俺は言ったか?」

 ほなみは首を振った。



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