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Love adventure
第67章 Marry Me②

「私は……時々じゃなくて……いつも貴方と居たい」
「あぐり――」
言葉を詰まらせ、瞳が涙で溢れそうな彼女の頬に触れた瞬間、今まで押さえ込んで来た感情が決壊するかの様に自分を呑み込んで行くのがわかった。
稲川は、それに逆らうつもりは無かった。
「――あぐり」
「はい……」
稲川は、骨ばった指で、白魚の様な彼女の手を強く握り、唇を落とした。
「――俺と結婚してください」
「……稲川さん……っ」
あぐりは小さな子供が父親に飛び付く様な仕草で抱き付いた。
勢い余ってふたりはフロアに倒れ込む。
「いてっ頭打った」
「……大丈夫?」
稲川は顔をしかめていたが、あぐりの髪をくしゃりと撫でて引き寄せてキスすると、笑顔を彼女に向けた。
「もう治った」
「何よそれ……ふふっ」
ふたりステージの上、転がったまま笑い合った。

