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Love adventure
第68章 Marry Me③

稲川は、あぐりの髪を撫で、切ない目で見つめた。
「俺は……自分の都合ばかりを優先してた……
音楽も……名声も……恋も……全部を欲しかった……
でもそれで……あぐりをずっと傷付けていた……俺は最低だ……」
「そんな事、ない……」
あぐりは首を振った。
「もう……俺以外の奴に……触らせない」
「稲川さん……」
あぐりのしなやかな腕が首に絡みつき、唇が頬に寄せられると、問い詰める事などどうでも良い位に身体が熱くなり、稲川の獣が暴れ出す。
「――あぐりっ……」
稲川は、再び彼女の脚を開かせ、一気に貫く。
あぐりの甘い叫びを楽しみながら、稲川は動きを繰り返した。
揺れる世界で、あぐりは彼の髪が跳ねて汗が散るのをいとおしげに見つめていた。
――貴方は、私だけの物。
そして私も……貴方だけの――
その言葉が胸に浮かんだと同時に、稲川もあぐりを見つめ、言った。
「二度と離さない――」
愛しいその顔が、涙でぼやけて見えなくなった瞬間、ふたりは果て、甘い夢の中へと堕ちて行った。

