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Love adventure
第72章 誰の腕を選ぶ
「くっ……はっ……」

 動く度に彼の栗色の髪が跳ね、汗の飛沫が日光に反射し、まるでステージでスポットライトを浴びている様に綺麗だった。
 ほなみは、彼に揺らされ啼かされながら、その姿に、表情に見惚れる。

 ――彼のこんな様を、切なく歪む眉を、快感に溜め息を漏らす唇を、見るのはただひとり、私だけ――
 甘い幸せを噛み締めながら、ほなみは彼に言った。

「私を……離さないで……」
「離さないよ――」
「私も……離さない……っ」
「――ほなみっ!」

 烈しく長い結合の動きに耐えられない程に欲望は膨れ上がり、とうとう爆ぜた。
 熱い精が流れ込んで来るのをほなみは受け止める。

「――愛してる」

 ほなみは、彼の甘い愛の言葉を飲み込み、咀嚼した。

「本当に……離さないでね?」
「当たり前じゃん……」

 西本は、鈴を転がすような声で囁き、ほなみをぎゅっと抱きしめた。
 微睡んでいた心も身体もすっかり醒め、ふたりは起き出してシャワーを浴び、簡単に朝食を作って食べると既に時間は10時を回っていた。

「あと少しで皆が来るね」
「ほなみ、これを着て?」

 彼はモノトーンのシックなデザインの大きな紙袋を差し出した。

「……貰ってばかりじゃない?私」

 バリバリにお高そうな雰囲気に、ほなみは思わずおののく。

「いいんだよ。俺が見たいんだから」
「でも……」
「俺が着せようか?」

 ほなみは首をブンブン振って紙袋を掴み、バスルームに逃げ込んだ。
 西本の笑い声が聞こえてくる。



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