この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Love adventure
第72章 誰の腕を選ぶ

例によって苦戦したが、なんとかワンピースのファスナーを自分で上げて、鏡に姿を映してみる。
華やかなパステルカラーで春らしく、袖口のボタンは花の形をしていた。
着ただけで気持ちがウキウキして来る。
――しかし、今日の会合にこんな華やかな物で良いのだろうか?
と考えていると、バスルームのドアが不意に開いてギョッとする。
西本はグレーのスーツが良く似合っていた。
思わず見惚れていると、ガバッと抱きしめられる。
「に、西君!」
「ゴメン、あんまり可愛くて」
ほなみを離すと、上から下までなめ回す様に見てから、彼女をくるりと一回転させ、何故かしゃがんで上目遣いに眺めてニコニコしている。
「ねえ、丈が短くない?それに……なんだか」
ほなみは鏡を見て、身体の線を強調するデザインに戸惑っていた。
彼は、ふふ、と笑みを溢す。
「――そんな身体をしているほなみが悪いんだ」
「えっ……」
「今日のほなみを見たら……
旦那も、惜しくてたまらなくなるだろうな」
西本はほなみの手を握り、そっと口付けた。
「そ……そんな」
「綾波のヤツも……な」
彼は低い声で言って鋭く目を光らせる。

