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Love adventure
第72章 誰の腕を選ぶ
「アイツの顔を見たら、ムカついてぶん殴るかも、俺」
「そんなの駄目!」
「――」
「私は……」

 ほなみは、彼の肩に手を添えると、背伸びしてキスした。

「ほなみ……」
「大丈夫だから……貴方しか……見ないから……
 だから……きゃあっ!」

 いきなり西本に抱えられ、視界が高くなる。

「本当に?」
「う、うん」
「ひゃっほ――!」

 西本は、くるくる回ってはしゃいだ。

「ちょっ……目が廻るから止めて――!」

 とうとうバランスを崩してふたりが床へ倒れ込んだ時、綾波がリビングへ入ってきた。
 今日の綾波は黒いスーツで颯爽とした佇まいだった。
 ほなみの心臓が一瞬跳ねる。
 西本に鋭い目で見つめられているのに気付き、彼に儀礼的な会釈をした。

「何をやってんだお前らは……」

 綾波は呆れ顔で、倒れたほなみの腕を掴み立たせ、じっと見つめた。
 その瞳に熱がこめられているのが分かる。
 けれどほなみは、もう揺れたり出来ない。

「ありがとう……綾波さん」

 真っ直ぐに見て、綾波の腕をほどくと、直ぐ様西本がほなみを抱きすくめた。
 西本は何も言わずにほなみを抱きながら、綾波と睨み合っていたが、沈黙を破ったのは綾波だった。


「……ほなみを離すなよ」
「言われなくても」
「離したら、かっさらわれる
「……絶対に離さねえよ!」
「きゃ」

 西本は、ほなみの頭を抱え込むように抱きしめた。
 ほなみはジタバタするが離して貰えず、思わず綾波に助けを求めそうになるが、その優しい笑みをたたえた瞳を見て呑み込んだ。

(――私は、私は……西君を選ぶ……
 彼の腕だけに抱き締められる事を決めた……
 だから……)

 綾波は、まるでほなみの心の声が聞こえたかの様に、頷いていた。



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