この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Love adventure
第75章 告白

通された応接室は広く、中庭が見える。ほなみがよく見に行った池が窓のすぐ外にあった。
窓際まで行き、じっと眺めていると智也が隣に立った。
「初めて会ったのがここだったな」
「うん……智也があの時強ばった顔してたの、今でも覚えてる」
「そんなに酷かったか?」
「私……新潟に居た頃、あんな表情をした子供に会った事がなかったから……」
「……あの時からだ」
ほなみは智也を見上げた。
「あの時から、ほなみが欲しかった」
「――智也」
彼は、遠く過去に思いを馳せる様に瞼を閉じる。
「……お前を手に入れたくて、色々と手回して右往左往していた事、知らないだろう?」
ほなみが首を振ると、彼は苦笑いしてその頬に触れた。
ほなみは一瞬身体を強張らせるが、彼の目の中にはあの夜の狂暴さは見えない。
ただ、悲しい色が沈んでいる。

