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Love adventure
第75章 告白

振り返らない智也の表情が、硝子窓に映っている。
泣き顔にも笑顔にも見えた。
ほなみは、その背中に歩み寄る。
「何故?何故そんなに優しいの?
私……最低な事をしてるのに……!」
一度決壊した涙腺は、しめる事が困難だった。
次から次へ、新しい涙が零れ落ちてくる。
智也はゆっくりと振り返ると、今までほなみに見せた中で最も優しい笑顔を向けた。
「罰なんて……出来るか……」
智也の手が、ほなみの頬の涙を拭う。
ほなみが赤い瞳で見上げた瞬間、彼はほなみを抱きすくめた。
「ほなみ……」
「……智也っ」
ほなみの肩先に顔を埋めたまま、智也は呟いて、また離した。
「――ごめん」
智也の瞳も赤いのを見て、ほなみの胸がきゅっと締め付けられる。
「西本の事は憎い……だが……お前の事はどうしても憎めない……」
「憎んでもいいよ……」
智也は笑って首を振る。
「それは無理だな……惚れた弱みってやつだ」

