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Love adventure
第10章 光と影と痛み
 身をふたつに引き裂かれるような痛みを感じながら、足を引きずるようにして何とか部屋を出て、自分のベッドに倒れ込んだ。
 稲妻が墜ち、家が軋む度に枕で頭を覆い、目を瞑り、時々襲うとてつもない痛みに耐える。
 なぜ、言えなかったのだろう。
(怖いのーー側にいて欲しいの)と。
 ほなみは、その夜を境に、ますます雷が恐ろしく、憎いとさえ思うようになった。











『君は旋律(恋)を奏でた
 君は旋律(恋)を撒いた
 渇いた砂に染み込むようにもっと もっと 欲しいって泣いているみたいだ』

 優しく甘い歌声で、ほなみは過去の夢から醒めた。目の前にあるのは、西本祐樹の逞しい首だった。
 見上げると、形の良い唇が唄っている。

(私だけの為に西君が唄っている――)

 胸の中が嬉しい気持ちと愛しさで一杯に満たされるのを感じて、ほなみは彼の身体をぎゅっと抱き締め返した。



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