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Love adventure
第10章 光と影と痛み
それ以来、ほなみは雷が嫌いになった。
嫌いというより、とてつもない恐怖を感じるのだ。
ほなみは智也の両親に引き取られた。
智也とは高校の時から交際していた。
2年生の夏、両親が不在の夜に、彼のベッドで初めて抱かれた。
クールで感情を出さない智也だが、初めてほなみを抱き締めた時の腕に込められた力と、切ない目の色はいつもとは違った。
初めての痛みに耐えながら横になっていると、部屋の中が明るく照らされ、雷の音が鳴り、智也に思わず抱き着いた。
「どうした?ほなみ?」
「怖い……」
「雷が怖いなんて子供みたいだな」
「お願い、今夜は一緒に眠って?」
だが智也はほなみの手を解き、ベッドから抜け出して服を着はじめた。
「俺、ひとりで眠りたいから。シャワーを浴びてくるから、自分の部屋に戻っててくれよ」
「智也……?」
ほなみは、信じられない気持ちで彼を見た。ふたりは恋人同士で、今まさに、初めて身体を重ね合わせたばかりだ。こんな時には、もっと甘くて優しい言葉があっても良いのではないだろうか。
呆然とシーツを掴んだまま、ほなみは智也を見つめる。
その表情は、またいつものポーカーフェースに戻っていた。
「早く何か着なよ。風邪をひくから……お休み」
そっけなく言うと、彼は部屋から出て行った。
ひとりになった部屋に、また閃光がきらめき轟音が響く。
ほなみは耳を塞ぎ、心細さに震えた。
(早く自分の部屋へ戻らないと)
ベッドから降りようと身を起こすと、脚の間に激痛が走った。
嫌いというより、とてつもない恐怖を感じるのだ。
ほなみは智也の両親に引き取られた。
智也とは高校の時から交際していた。
2年生の夏、両親が不在の夜に、彼のベッドで初めて抱かれた。
クールで感情を出さない智也だが、初めてほなみを抱き締めた時の腕に込められた力と、切ない目の色はいつもとは違った。
初めての痛みに耐えながら横になっていると、部屋の中が明るく照らされ、雷の音が鳴り、智也に思わず抱き着いた。
「どうした?ほなみ?」
「怖い……」
「雷が怖いなんて子供みたいだな」
「お願い、今夜は一緒に眠って?」
だが智也はほなみの手を解き、ベッドから抜け出して服を着はじめた。
「俺、ひとりで眠りたいから。シャワーを浴びてくるから、自分の部屋に戻っててくれよ」
「智也……?」
ほなみは、信じられない気持ちで彼を見た。ふたりは恋人同士で、今まさに、初めて身体を重ね合わせたばかりだ。こんな時には、もっと甘くて優しい言葉があっても良いのではないだろうか。
呆然とシーツを掴んだまま、ほなみは智也を見つめる。
その表情は、またいつものポーカーフェースに戻っていた。
「早く何か着なよ。風邪をひくから……お休み」
そっけなく言うと、彼は部屋から出て行った。
ひとりになった部屋に、また閃光がきらめき轟音が響く。
ほなみは耳を塞ぎ、心細さに震えた。
(早く自分の部屋へ戻らないと)
ベッドから降りようと身を起こすと、脚の間に激痛が走った。