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第77章 会見

　智也の、あまりにもはっきりとした物言いと、その悲壮感の無さに会場の記者達がしん、と静まり返る。
　智也はゆったりと笑うと、中庭のほうをチラリと見て立ち上がる。

｢では、その件に関してはよろしいですね？
　……皆さんにもう一つ、お披露目したい事があります｣

　智也が手をあげて視線を送ると、記者達はその方向を見た。
　中庭に面したガラス張りの壁の向こうにいる物体に、皆が目を見張る。
　ロビーで見ていた面々も一瞬言葉を失ってから、一斉に叫んだ。

｢――はま、じろう……っ｣
｢浜田さん！｣

　今日のはまじろうはゴールド仕様だった。
　布地に散りばめられているキラキラのビーズが、余計に派手さ、馬鹿馬鹿しさを醸し出しているが、被っている人物――浜田は堂々と、そして愉快そうにしている。
　何とも言えない迫力があり、報道陣もはまじろうが胸を張って皆の前を歩くのを黙って見ていた。