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第78章 急転

　中野は薄ら笑いを浮かべた。

｢冗談……？貴方こそ冗談はお止めになるべきでは？｣
｢なんの事だ――｣

　智也は意味が分からず首を振る。
　何事かと記者会見の会場から記者達がやってくると、中野が再び天井に威嚇するように発砲し、あちこちから悲鳴が上がった。

｢いいぞ、カメラを回せ！ただし、邪魔をするな！邪魔をしたら撃つ！｣

　一番近くにいた男性カメラマンが青ざめながら頷いてカメラを回し始めると、中野は智也に向き直る。

｢その間男に、ほなみさんを奪われたままで良いと？｣

　西本は中野を睨むが、中野も憎しみの籠った瞳で見返す。
　ほなみは西本の手をギュッと握った。