パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第78章 急転

｢貴方が、どれほど必死になってほなみさんを手に入れたのか……想っていたのか、私は知っている……
　それなのに何故！
　易々とその優男にくれてやるんですか？｣

　中野は西本を見て顎でしゃくった。

｢何なんだこいつ……｣

　西本は、ほなみの手をしっかりと握り締めながら、中野を睨む。
　智也は、恐怖に震えるカナに囁くように言った。

｢必ず助けるから……｣

　カナは涙目で頷く。

｢何をしたいんだ……こんなことをして……
　ただでは済まない事ぐらい、わかるだろう？｣

　智也がカメラを回す記者達を見るが、中野は鼻を鳴らす。

｢私は失う物など何も無い｣
｢？｣
｢だからどうなったって構わないんですよ｣
｢お前っ……｣

　智也は絶句した。