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Love adventure
第79章 新しい息吹

「私は……やり直したくて、妻と子供に会いにいきました……
が、妻は別の男と暮らしていました……
趣味の良い高そうな靴、シワのないシャツ、上品な物腰……
会ったんです。玄関先に出てきましたから。
妻と息子は奥にいて、私に気づきませんでした。
その男に『どちら様でしょうか』と言われた時には……頭が真っ白になりましたよ……
そこからどうやって帰ってきたか、記憶にありません」
「……」
中野はひと呼吸置いて続けた。
「気がつくと会社の金庫の前に居ました。
私は、社長以外で、金庫のダイヤルナンバーを知るただ一人の人間です。
その日は日曜で誰も会社にはいない。
私はダイヤルを回しました――
金さえあれば、妻子を取り戻せると思ったんです……
そこに、当時二歳の貴方が現れました」
「……!?」
智也は目を見開いた。
が、妻は別の男と暮らしていました……
趣味の良い高そうな靴、シワのないシャツ、上品な物腰……
会ったんです。玄関先に出てきましたから。
妻と息子は奥にいて、私に気づきませんでした。
その男に『どちら様でしょうか』と言われた時には……頭が真っ白になりましたよ……
そこからどうやって帰ってきたか、記憶にありません」
「……」
中野はひと呼吸置いて続けた。
「気がつくと会社の金庫の前に居ました。
私は、社長以外で、金庫のダイヤルナンバーを知るただ一人の人間です。
その日は日曜で誰も会社にはいない。
私はダイヤルを回しました――
金さえあれば、妻子を取り戻せると思ったんです……
そこに、当時二歳の貴方が現れました」
「……!?」
智也は目を見開いた。

