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Love adventure
第79章 新しい息吹

「ほなみさんを中庭で初めて見た貴方の表情を見て、私はすぐにわかりました。
貴方がほなみさんにひと目で心を奪われた事を……
私は、貴方の望みは何でも叶って欲しかったんです……
勝手に、息子と重ね合わせて……」
中野の力ない眼差しの中に涙が溢れる。
智也は、苦々しく顔を歪めると呟く様に言った。
「……そうだな……本当に勝手だ」
「はい……っ」
中野は唇を噛んだ。
「お前の勝手な思い込みで、俺の人生を幸せに……だとか……
はっきり言って独りよがりもいいところだ……
俺は自分でしたいようにするだけだ……
ほなみを傷付けた事は、絶対に許せない」
智也の射るような眼差しに中野はただ涙ぐみ頷いていた。
「――時間です」
警官に言われ、智也は立ち上がると、項垂れた中野に去り際に声をかけた。
「俺の望みを叶えたい、というのなら――」
中野は顔を上げる。
「罪を償って、ほなみに謝りに行け。
そして二度と死のうなどと考えるな……
それだけだ」
ドアを閉めると、啜り泣きが聞こえてきた。
貴方がほなみさんにひと目で心を奪われた事を……
私は、貴方の望みは何でも叶って欲しかったんです……
勝手に、息子と重ね合わせて……」
中野の力ない眼差しの中に涙が溢れる。
智也は、苦々しく顔を歪めると呟く様に言った。
「……そうだな……本当に勝手だ」
「はい……っ」
中野は唇を噛んだ。
「お前の勝手な思い込みで、俺の人生を幸せに……だとか……
はっきり言って独りよがりもいいところだ……
俺は自分でしたいようにするだけだ……
ほなみを傷付けた事は、絶対に許せない」
智也の射るような眼差しに中野はただ涙ぐみ頷いていた。
「――時間です」
警官に言われ、智也は立ち上がると、項垂れた中野に去り際に声をかけた。
「俺の望みを叶えたい、というのなら――」
中野は顔を上げる。
「罪を償って、ほなみに謝りに行け。
そして二度と死のうなどと考えるな……
それだけだ」
ドアを閉めると、啜り泣きが聞こえてきた。

