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第11章 セレナーデを弾くように

　彼は、突然荒々しい仕種でほなみのパジャマの襟元を掴むと左右に強く引っ張り、胸元をはだけさせた。

「そんな風に見つめられたら、もう止められないよ……」

　ほなみが隠す間も無く、西本はしなやかな指で両の乳房をつかみ顔を埋めて、舌を遊ばせ始める。彼の息と舌が膨らみの頂上をかすめる度にほなみは無意識に爪先をピンと伸ばした。

「細く見えるのに……意外と大きいね……最高だよ……」

　掌で乳房全体をパンを捏ねるように転がしたり、突起を指先で引っ掻いたり、子供が玩具に夢中になっている時のように彼は目を輝かせている。

「やっ……だめ……お願いっ……」
「何がダメで、何をお願いするの？」

　西本は意地悪な笑みを浮かべ、パジャマのズボンの布をつかみ、脱がしにかかる。

｢に……西くっ｣

　このままでは、取り返しのつかない事になってしまう――何とか逃れなければーー
　と思う一方、彼が烈しく自分を求めている事にときめいていた。
　呆気なく脚から布が引き抜かれてしまい、ほなみは下腹部を覆う小さなショーツだけの姿にされる。
　西本は、小さく溜め息を吐くと、ほなみの身体をなめ回す様に見た。しなやかな指を首筋に落とし、鎖骨から乳房に滑らせる。


｢凄く……素敵だ｣
｢ああっ――｣

　ほなみは、繊細な彼の指の動きに早くも翻弄され、弓なりに身体を仰け反らせた。
　その反応に小さく笑いながら、彼は指を下着に伸ばした。


「……これを俺にお願いしたいの？」
「ち、違……！あっ…！」

　彼の綺麗な長い指はまるで鍵盤を優しいタッチで奏でるように、ほなみの最も敏感な場所を布の上から愛撫した。
　久しぶりにその場所を人に触れられ、烈しく感じてしまい、抑えられず声が漏れる。

「……いいよ……もっと啼いてごらん」

　彼の悪戯な指は、時には速い動きで花びらをつまびいたかと思えば、じれったいくらいに優しい調べを紡ぐ。
　いつしかほなみは抵抗するのも忘れ、彼の背中に手を廻し肌に爪を立てていた。

「ーーっ……!!」

　突然、下腹部の異物感に小さく叫ぶと同時に脳天が甘く痺れる。
　彼の指が下着の中へいつの間にか侵入していた。
　既に溢れそうなくらい潤った花弁の中が、巧に掻き混ぜられる。


「……西君っ……私……もうダメっ」
「……俺も我慢の限界」

　彼が耳元で苦しげに早口でつぶやいた。