パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第80章 甘い家路

　智也は、「腰抜け」だの「女の言いなり」だの「ヘタレ」だの、酷い言われようだったが、会見での毅然とした態度が好感を呼び、今では逆に

｢不貞をした妻を一切責めず、幸せを願うなんて、器が大きい｣
｢プライドをかなぐり捨てて、会社の為に新しいチャレンジをする姿は立派｣

　などと評価されている。
　元々が美男子で、しかも財閥の跡取り、気風も良い、離婚が決まればフリー、ということで世間の女性から熱い視線を浴びる事になってしまった。
　だが本人はそういった状況を至ってクールに受け止めている。
　取材やら全国から殺到する女性からのラブコールの対応はカナが一手に引き受けていた。
　バッサバッサとためらいなく報道陣やファンの女性を切り捨てるカナのさばきかたは実に見事で智也はいつも感心し、そして感謝していた。