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Love adventure
第82章 BIG EGG
「誰がゲイだって?」
楽屋の前に佇むあぐりの後ろから誰かが声をかける。
振り返ると同時に強い力で腕を掴まれ引き寄せられた。
「きゃっ――」
廊下の壁に押し付けられて、見おろされる。
「元気そうだね」
輝く瞳で見つめられ、心臓が鳴る。
「稲川……さん」
ホテルに彼を置き去りにしてから、三ヶ月が経った。
その間、BEATSの事を考える暇もなく過ごしてきたあぐりだが、稲川と再会してその胸は高鳴った。
だが、それは以前のような気持ちではない。
今まで、彼を独り占めしたい一心だったが、距離を置いた今では、また違う種類の愛情に変わったのだろうか。
「稲川さんもお元気そうで……」
稲川は壁から手を離し悪戯に笑う。
「いやいや、俺も歳だしさ。必死だよ毎日生きるのに。
今日はこのでっかい会場に負けないように身体にムチうってパフォーマンスするよ!
若者には負けられないからね」
「……稲川さん」
「あぐりには、男としてはフラれたけど……
ステージの俺には一生惚れさせていたいからね……」
澄んだ色が瞳の奥に覗く。
じっと見ていると、引き摺られそうな気がして、わざと明るく返事をした。
「そうそう!頑張らないと次から次へと現れるニューカマーに負けちゃうからね!しっかり!」
楽屋の前に佇むあぐりの後ろから誰かが声をかける。
振り返ると同時に強い力で腕を掴まれ引き寄せられた。
「きゃっ――」
廊下の壁に押し付けられて、見おろされる。
「元気そうだね」
輝く瞳で見つめられ、心臓が鳴る。
「稲川……さん」
ホテルに彼を置き去りにしてから、三ヶ月が経った。
その間、BEATSの事を考える暇もなく過ごしてきたあぐりだが、稲川と再会してその胸は高鳴った。
だが、それは以前のような気持ちではない。
今まで、彼を独り占めしたい一心だったが、距離を置いた今では、また違う種類の愛情に変わったのだろうか。
「稲川さんもお元気そうで……」
稲川は壁から手を離し悪戯に笑う。
「いやいや、俺も歳だしさ。必死だよ毎日生きるのに。
今日はこのでっかい会場に負けないように身体にムチうってパフォーマンスするよ!
若者には負けられないからね」
「……稲川さん」
「あぐりには、男としてはフラれたけど……
ステージの俺には一生惚れさせていたいからね……」
澄んだ色が瞳の奥に覗く。
じっと見ていると、引き摺られそうな気がして、わざと明るく返事をした。
「そうそう!頑張らないと次から次へと現れるニューカマーに負けちゃうからね!しっかり!」