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Love adventure
第82章 BIG EGG
何故、自分はあんなに腹を立てたのだろうか。
ほなみの花嫁姿を見たい、という気持ちは勿論あった。
それ以上に、式をやる事によって、ほなみが過去から一歩踏み出す気持ちになってほしいーー
そう思っていた。
(ほなみは俺を愛しているし、俺もそうだ。
だけど、ほなみは未だに自分の過去に罪悪感のような物を抱いている。
それが我慢できなかった……)
一緒に暮らしながら、ほなみの顔をまともに見る事もなく過ごした二週間は、拷問の様に辛かった。
悲しげな溜め息が耳に入る度、引き裂かれそうな気持ちになり、ほなみが目に入らないように別室へ逃げた。
何故、こんな苦しい気持ちになってまで自分は意地を張って居るのか、もうわからない。
式の事は無理強いしなくてもいい。
ほなみの気持ちが自然とそうなるまで待てばいい。
(――何よりも、俺自身がこのままでは耐えられない。
細かい事なんか一切飛ばして、側にいたい――)
ほなみを抱きしめて笑顔を見たかった。
智也は、面白い見せ物でも見るように、西本の悩める表情を眺めていた。
「成る程。恋に悩む男の有り様ほど滑稽なものはこの世にないな……
単純そうなお前でもそんな顔をするとは、実に面白い」
「なんだよそれっ」
「ハハハ……仲直りするつもりならいい。
意地とか体裁とか、そんな物を気にした途端に女は離れていくからな?……覚えておけよ?
……じゃあ、頑張れよ。見てるからな」
智也とカナが関係者席まで歩いて行ってしまうと、西本は盛大に溜め息を吐きながら前の座席の背もたれに顔を埋めた。
「祐樹――!」
三広が元気一杯にステージから叫ぶ。
「シャキッとしろよ――!ダレたら、リーダーの俺が許さないからな!」
「祐樹――!手長猿に言われたらおしまいだぞ――!」
亮介も叫び、野村はクールに笑い片手を挙げて見せた。
西本は苦笑する。
「言われなくても……やってやるさ……」
彼の瞳は、一段と強く、輝いていた。
ほなみの花嫁姿を見たい、という気持ちは勿論あった。
それ以上に、式をやる事によって、ほなみが過去から一歩踏み出す気持ちになってほしいーー
そう思っていた。
(ほなみは俺を愛しているし、俺もそうだ。
だけど、ほなみは未だに自分の過去に罪悪感のような物を抱いている。
それが我慢できなかった……)
一緒に暮らしながら、ほなみの顔をまともに見る事もなく過ごした二週間は、拷問の様に辛かった。
悲しげな溜め息が耳に入る度、引き裂かれそうな気持ちになり、ほなみが目に入らないように別室へ逃げた。
何故、こんな苦しい気持ちになってまで自分は意地を張って居るのか、もうわからない。
式の事は無理強いしなくてもいい。
ほなみの気持ちが自然とそうなるまで待てばいい。
(――何よりも、俺自身がこのままでは耐えられない。
細かい事なんか一切飛ばして、側にいたい――)
ほなみを抱きしめて笑顔を見たかった。
智也は、面白い見せ物でも見るように、西本の悩める表情を眺めていた。
「成る程。恋に悩む男の有り様ほど滑稽なものはこの世にないな……
単純そうなお前でもそんな顔をするとは、実に面白い」
「なんだよそれっ」
「ハハハ……仲直りするつもりならいい。
意地とか体裁とか、そんな物を気にした途端に女は離れていくからな?……覚えておけよ?
……じゃあ、頑張れよ。見てるからな」
智也とカナが関係者席まで歩いて行ってしまうと、西本は盛大に溜め息を吐きながら前の座席の背もたれに顔を埋めた。
「祐樹――!」
三広が元気一杯にステージから叫ぶ。
「シャキッとしろよ――!ダレたら、リーダーの俺が許さないからな!」
「祐樹――!手長猿に言われたらおしまいだぞ――!」
亮介も叫び、野村はクールに笑い片手を挙げて見せた。
西本は苦笑する。
「言われなくても……やってやるさ……」
彼の瞳は、一段と強く、輝いていた。