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Love adventure
第82章 BIG EGG
その頃、クレッシェンドメンバーは会場で各々の最終的な作業をしていた。
(開場まであと15分か……)
西本は、ドーム会場の最後列から、ステージがどう見えるかを確認していた。
思っていたよりも近くに感じる。
視力の良い西本は、最後列の客の顔まで見る自信があった。
ここでライブをすることが、自分達にとって最大のチャレンジだが、西本はその遥か先を見据えていた。
五年先、十年先――
その頃、自分達がどんな音楽を届けられているか。
それは、今からの活動にかかっている。
溜め息を吐くと、後ろから肩を叩かれた。
「おう、智也」
智也はカナを伴っていた。
カナがペコリと頭を下げる。
西本は立ち上がり、智也の肩を叩き返した。
「忙しい中、ありがとう……あと、花も沢山……びっくりしたよ」
「夫のお前がドームでコケたらほなみが恥をかくからな……
そうならない為のゲン担ぎさ」
「コケるとか言うなよ!俺だってちょっとは緊張してるんだからな!」
西本は膨れた。
「ほなみと式の事で喧嘩してるって?」
いきなりズバッと言われ、西本は咳き込んだ。
「二週間も口を利かないとか、ほなみさんカワイソ~!
ギューしてチューして仲直りすればいいじゃないですか!」
カナに責め立てられる様に言われて、西本は珍しくたじろぐ。
「なんでお前らまで知ってるんだ――!壁に耳でもあるのか?」
智也はポリポリと頬をかく。
「根本から神田に伝わって……野村から浜田さんで……俺は綾波から聞いた」
西本は顔を覆い天を仰いだ。
「なんだそりゃっ!連絡網かよ――!お前らいつの間に仲良しか!」
「……いつまで意地を張るつもりだ?」
「いや、俺ももう……いつまでも不貞腐れたままじゃいねえよ……
今日ライブが終わったら……ほなみに謝る」
(開場まであと15分か……)
西本は、ドーム会場の最後列から、ステージがどう見えるかを確認していた。
思っていたよりも近くに感じる。
視力の良い西本は、最後列の客の顔まで見る自信があった。
ここでライブをすることが、自分達にとって最大のチャレンジだが、西本はその遥か先を見据えていた。
五年先、十年先――
その頃、自分達がどんな音楽を届けられているか。
それは、今からの活動にかかっている。
溜め息を吐くと、後ろから肩を叩かれた。
「おう、智也」
智也はカナを伴っていた。
カナがペコリと頭を下げる。
西本は立ち上がり、智也の肩を叩き返した。
「忙しい中、ありがとう……あと、花も沢山……びっくりしたよ」
「夫のお前がドームでコケたらほなみが恥をかくからな……
そうならない為のゲン担ぎさ」
「コケるとか言うなよ!俺だってちょっとは緊張してるんだからな!」
西本は膨れた。
「ほなみと式の事で喧嘩してるって?」
いきなりズバッと言われ、西本は咳き込んだ。
「二週間も口を利かないとか、ほなみさんカワイソ~!
ギューしてチューして仲直りすればいいじゃないですか!」
カナに責め立てられる様に言われて、西本は珍しくたじろぐ。
「なんでお前らまで知ってるんだ――!壁に耳でもあるのか?」
智也はポリポリと頬をかく。
「根本から神田に伝わって……野村から浜田さんで……俺は綾波から聞いた」
西本は顔を覆い天を仰いだ。
「なんだそりゃっ!連絡網かよ――!お前らいつの間に仲良しか!」
「……いつまで意地を張るつもりだ?」
「いや、俺ももう……いつまでも不貞腐れたままじゃいねえよ……
今日ライブが終わったら……ほなみに謝る」