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Love adventure
第83章 Love adventure
西本はマイクを持ち、華麗なステップを踏みながら軽やかに歌う。
『君は恋(旋律)を奏でた
君は恋(旋律)を撒いた』
歌いながらピアノの前まで来ると、一言
「ようこそ!」
と、輝く笑顔で手を広げて叫んだ。
轟くような歓喜の絶叫が起こる。
西本は、ステージから会場全体を見渡し、満面の笑みを浮かべると、鍵盤に視線を落とし、繊細かつダイナミックにメロディーを奏で始めた。
その指の動きに、リズムを刻むすらりとした脚に、時折乱れる髪に、鋭く輝く瞳に、ほなみは魅了されていた――
――トクントクン……と恋を初めて知った小娘の様に胸を鳴らす私は、愚かなのだろうか。
愚かでもいい。
彼をずっと見つめていられるのなら、世界一のバカな女に成り下がってもいい――