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Love adventure
第83章 Love adventure
野村は、リズミックにベースを掻き鳴らし、ステージ中央で亮介と向き合いバトルするかのようにプレイする。
ふと見上げると、右手の照明の部屋で見覚えのある長い髪が揺れるのが見えた。
それが誰かを確信した彼は、口元を緩ませた。
あまりにも激しいあぐりの動きがツボにはまり、笑いを溢してしまう。
その笑顔がモニターにアップになり、女性ファンから悲鳴が上がった。
「おい野村――お前ばかり目立ってんなよ!」
亮介が早くもポケットからピックを取り出し、忍者の如くバババと客席に向かって投げる。
大勢の客達が手を挙げると同時に歓声が起こった。
三広は、いつもにもまして精悍かつパワフルにドラムを叩き、スティックを器用にくるくる回しながら細かく速いリズムを連打し、会場のあちこちから口笛が鳴る。
ほなみは三人三様の見事なプレイに感激しながら、あと一人、中央のピアノの前に来るべき人を待ち焦がれて居た。
会場の客達も同じだ。
皆手を叩き、中央のピアノに熱い視線を送る。
――あと一人。
――早く。
――早く――!
『西……くん』
『西くん!』
『西本!』
『西く――ん!』
『西くん!西くん!』
最初はまばらだった掛け声が、いつの間にか綺麗にそろったシュプレヒコールになる。
ほなみとあぐりも、上から手拍子してコールした。
一瞬会場が真っ暗になったかと思うと、一筋のスポットライトがステージ上手側に照らされる。
清廉な白いスーツに身を纏い、西本祐樹が颯爽と現れた。
ほなみの全身が、初めてステージで彼を見た時の様にときめきに震えた。
ふと見上げると、右手の照明の部屋で見覚えのある長い髪が揺れるのが見えた。
それが誰かを確信した彼は、口元を緩ませた。
あまりにも激しいあぐりの動きがツボにはまり、笑いを溢してしまう。
その笑顔がモニターにアップになり、女性ファンから悲鳴が上がった。
「おい野村――お前ばかり目立ってんなよ!」
亮介が早くもポケットからピックを取り出し、忍者の如くバババと客席に向かって投げる。
大勢の客達が手を挙げると同時に歓声が起こった。
三広は、いつもにもまして精悍かつパワフルにドラムを叩き、スティックを器用にくるくる回しながら細かく速いリズムを連打し、会場のあちこちから口笛が鳴る。
ほなみは三人三様の見事なプレイに感激しながら、あと一人、中央のピアノの前に来るべき人を待ち焦がれて居た。
会場の客達も同じだ。
皆手を叩き、中央のピアノに熱い視線を送る。
――あと一人。
――早く。
――早く――!
『西……くん』
『西くん!』
『西本!』
『西く――ん!』
『西くん!西くん!』
最初はまばらだった掛け声が、いつの間にか綺麗にそろったシュプレヒコールになる。
ほなみとあぐりも、上から手拍子してコールした。
一瞬会場が真っ暗になったかと思うと、一筋のスポットライトがステージ上手側に照らされる。
清廉な白いスーツに身を纏い、西本祐樹が颯爽と現れた。
ほなみの全身が、初めてステージで彼を見た時の様にときめきに震えた。