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ジェミニの檻
第2章 it's all your fault

陽が傾いた公園に吹く風はやはりまだ冷たさを含んでいた。
「またメールする」
「うん」
なかなか手が離せないでいると、由岐がぎゅっとだきすくめた。
「六花…好きだよ」
「私も好きだよ」
「誰にも渡さないから」
心臓がドキッと震えて、背中に回した手に力を込めた。
ゆっくり唇を重ねて、恥ずかしそうに笑う六花をもう一度抱きしめると由岐は踵を返した。
進級した初日、六花は一本早い電車でえれなと待ち合わせていた。
中校舎の窓に貼り出されるクラス替えを見に行く為だった。
「あ、あったー!えれな!また一緒だよー」
「本当だ!良かったあ!」
思わずえれなに抱きつく。
「えれな?」
聞き覚えのあるその声に、まさかと振り返る六花。
「志貴!久しぶり!クラス替え、見に来たの?」
「まさか、特進は朝学があるんだよ」
「へぇー、まだアタマ良くなりたいの?」
「俺が講師なの」
肩を竦めるえれな。
六花はその人を見上げていた。
長めの前髪は漆黒で、細いフレームのメガネの向こうにある瞳を…知ってる。
「もうしょうがないよねー、六花、彼、松永 志貴」
「またメールする」
「うん」
なかなか手が離せないでいると、由岐がぎゅっとだきすくめた。
「六花…好きだよ」
「私も好きだよ」
「誰にも渡さないから」
心臓がドキッと震えて、背中に回した手に力を込めた。
ゆっくり唇を重ねて、恥ずかしそうに笑う六花をもう一度抱きしめると由岐は踵を返した。
進級した初日、六花は一本早い電車でえれなと待ち合わせていた。
中校舎の窓に貼り出されるクラス替えを見に行く為だった。
「あ、あったー!えれな!また一緒だよー」
「本当だ!良かったあ!」
思わずえれなに抱きつく。
「えれな?」
聞き覚えのあるその声に、まさかと振り返る六花。
「志貴!久しぶり!クラス替え、見に来たの?」
「まさか、特進は朝学があるんだよ」
「へぇー、まだアタマ良くなりたいの?」
「俺が講師なの」
肩を竦めるえれな。
六花はその人を見上げていた。
長めの前髪は漆黒で、細いフレームのメガネの向こうにある瞳を…知ってる。
「もうしょうがないよねー、六花、彼、松永 志貴」

