この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ジェミニの檻
第16章 Crafty race

無意識の呼び名にいつから由岐は気付いていたのだろう。
六花ですら、今の今迄気付けなかったのに。
「寂しかったから?志貴は優しかった?」
由岐はそっと六花の髪を撫でる。
「俺の代わりにしてた?」
「ちがっ…」
由岐も志貴も双子とはいえ一人の人だ。
似ているだけで、別物だとその言葉すら喉を通らない。
「由岐…」
チラッと由岐の視線が志貴に向いた気がした次の瞬間、髪を撫でていた手がぐっと後頭部を引き寄せ唇を奪われた。
「…ンンッ…」
押さえ付けられるように頭を動かす事が出来ず、由岐のなすがまま唇をこじ開けられ、由岐の舌が差し込まれる。
口蓋を舐られ、歯列をなぞったと思ったら、舌を絡み取られて絶妙な強さで吸い上げられる。
「…ふ…ぅん…」
粘膜に媚薬でも含まれているのではないかと思い違うほど、思考が白くボヤけた向こう側に飲まれていく。
繋がれた右手の感覚すら薄れて、鼓膜を擽る水淫の音だけが大きく響いていた。
六花ですら、今の今迄気付けなかったのに。
「寂しかったから?志貴は優しかった?」
由岐はそっと六花の髪を撫でる。
「俺の代わりにしてた?」
「ちがっ…」
由岐も志貴も双子とはいえ一人の人だ。
似ているだけで、別物だとその言葉すら喉を通らない。
「由岐…」
チラッと由岐の視線が志貴に向いた気がした次の瞬間、髪を撫でていた手がぐっと後頭部を引き寄せ唇を奪われた。
「…ンンッ…」
押さえ付けられるように頭を動かす事が出来ず、由岐のなすがまま唇をこじ開けられ、由岐の舌が差し込まれる。
口蓋を舐られ、歯列をなぞったと思ったら、舌を絡み取られて絶妙な強さで吸い上げられる。
「…ふ…ぅん…」
粘膜に媚薬でも含まれているのではないかと思い違うほど、思考が白くボヤけた向こう側に飲まれていく。
繋がれた右手の感覚すら薄れて、鼓膜を擽る水淫の音だけが大きく響いていた。

