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ジェミニの檻
第6章 不安材料
二人組は舌打ちをしながら消えていった。
「…な、んで…?」
「…由岐が事故渋滞に巻き込まれたから遅くなるってメールが来た」
事故渋滞のメールなんてついさっきの事だ。
「…心配して…」
「まさか!そこの本屋に用事があってたまたま通ったら鈍臭い女がナンパされてるのが見えたんだよ」
六花の額を指で弾く。
鈍い痛みを手で摩りながら志貴を見上げると、こめかみに汗が滲んでいる。
「お前の奢りだからな」
祭り会場に向かって歩き出す志貴。
六花は笑顔で追いかけた。