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奴隷 裕美子
第1章 隷属の誓い
「そばにいさせてください。今までのこと、許してください。どんなことでもします。可愛い奴隷になりますから」

他に客もいるショットバーの床に正座し、目には今にもあふれでそうなほどの涙を浮かべて裕美子は哀願する。

「奴隷となること」を受け入れることかできずに俺の元を離れて三ヶ月。その間、俺からは何の誘いも接触もないなかで、裕美子は一人葛藤を繰り返したのだろう。震える声で「会いたい」と連絡があった時点で、用件の察しはついていた。奴隷として戻る、と心を決めたのだろう。予測通り、予定通りの展開と言っても良い。もっとも、一度自分から離れていった奴隷を、「戻りたい」と言ってきたからと言ってすぐに許して大歓迎するほど、俺は優しくはない。テーブルの向こう側に座ったまま「奴隷に戻りたい」と言う裕美子に、

「奴隷が主にものを頼むときはどうするんだ。そこに正座して許しを請え。」

俺はそう言い放った。裕美子は一瞬怯んだ素振りをみせたが、意を決したようにすぐに床に膝をついて言ったのが、最初に書いたセリフだ。

「俺が奴隷をどんなふうに扱うか、良くわかっているだろう。それでも戻りたいのか」

「・・・はぃ・・」

これまでに俺から受けた責め、恥ずかしい命令が裕美子の頭を巡っているのが手に取るように分かる。

「返事は、はっきり言え。奴隷の作法の基本だ。もう忘れたのか」

「も、申し訳ありません。」

周囲の客の好奇の目が集まり、店のスタッフも遠巻きにこちらの様子を見ている。

「どうか裕美子を奴隷でいさせてください。どんな命令にも従います。きっと良い奴隷になりますから。そばにいたい・・・」

激しい羞恥に身体を震わせる裕美子の両目から、大粒の涙がこぼれる。職場では優秀なベテラン社員として皆から頼りにされ、自信にあふれてリーダーシップを発揮している山咲裕美子、29歳が、自分から望んで俺の奴隷となった瞬間だった。
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