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花の踊り子
第3章 疑惑
何も考えられず、俯いたままデザートを食べる手も止まってしまっていた。
「もうお腹いっぱい?」
トイレから戻ってきた優に声をかけられ、ビクリとなる。
「あ…」
再び目の前に座った優は食後のコーヒーを啜っている。
途中、一度だけケータイを確認していたが、優は表情ひとつ変えなかった。
どう反応していいかわからず、とにかく普通に振舞おうと、必死に笑顔を作り、デザートに手を伸ばす。
問い詰めることは怖かったのだ。
もし、浮気を認められたら、今まで積み上げてきたものが全て崩れてしまいそうな気がした。
食事の後、ブラブラと街を歩き、また軽く夕食を済ませ、家に帰る。街を歩いている間も、花の頭の中で先程のメールの画面が何度も思い起こされた。その度に涙が滲みそうになりながらも、何も知らないふりをした。
「あー!久しぶりの我が家だ。」
優は部屋に入り、荷物を置くと伸びをしている。
その間に花はお風呂を沸かしに行く。
2人でテレビを見ているとお風呂が沸いた音楽が鳴る。
「花、風呂一緒に入る?」
「えっ⁉︎…私は後で入るからいいよ。」
優が入浴している間、何も考えないように、布団の準備をしたり朝ごはんの仕込みをしたりと、忙しく動き回る。
何かをしていないと、先程のメールで頭がいっぱいになってしまいそうだった。
お米を研いで炊飯器のタイマーをセットすると、いきなり後ろから抱きしめられる。
「…花…」
優は上半身裸のまま、後ろから花の鎖骨あたりに手を回す。
花の首筋に顔を埋め、くちびるを押し当ててくる。
「あっ…ダメ。まだお風呂入ってない…」
花は抵抗しようと身体をひねり、優の胸を押すが、ビクともしない。それに今はそういう気分ではなかった。
「いいよ。早く布団いこう」
優はなおも花の首筋に舌を這わず。
首が弱い花はピクピクと肩を揺らす。
そんな気分ではない。
でも、今ここで拒んだら、優の心はもっと離れていってしまう気がした。ここでしなかったら、単身赴任先で、他の女の人と…
そう思うと、これ以上拒めないのだった。
寝室に行き、布団の上に組み敷かれる。
いつもよりも激しい口付けをされる。
何度も唇を啄まれ、ヌルリと舌が入ってくる。
「ん…っ」
何度も繰り返される口付けで、花の口は痺れたようになっていた。
「はぁ…」
頰、顎、首筋と、優の唇と舌が這いまわる。
「もうお腹いっぱい?」
トイレから戻ってきた優に声をかけられ、ビクリとなる。
「あ…」
再び目の前に座った優は食後のコーヒーを啜っている。
途中、一度だけケータイを確認していたが、優は表情ひとつ変えなかった。
どう反応していいかわからず、とにかく普通に振舞おうと、必死に笑顔を作り、デザートに手を伸ばす。
問い詰めることは怖かったのだ。
もし、浮気を認められたら、今まで積み上げてきたものが全て崩れてしまいそうな気がした。
食事の後、ブラブラと街を歩き、また軽く夕食を済ませ、家に帰る。街を歩いている間も、花の頭の中で先程のメールの画面が何度も思い起こされた。その度に涙が滲みそうになりながらも、何も知らないふりをした。
「あー!久しぶりの我が家だ。」
優は部屋に入り、荷物を置くと伸びをしている。
その間に花はお風呂を沸かしに行く。
2人でテレビを見ているとお風呂が沸いた音楽が鳴る。
「花、風呂一緒に入る?」
「えっ⁉︎…私は後で入るからいいよ。」
優が入浴している間、何も考えないように、布団の準備をしたり朝ごはんの仕込みをしたりと、忙しく動き回る。
何かをしていないと、先程のメールで頭がいっぱいになってしまいそうだった。
お米を研いで炊飯器のタイマーをセットすると、いきなり後ろから抱きしめられる。
「…花…」
優は上半身裸のまま、後ろから花の鎖骨あたりに手を回す。
花の首筋に顔を埋め、くちびるを押し当ててくる。
「あっ…ダメ。まだお風呂入ってない…」
花は抵抗しようと身体をひねり、優の胸を押すが、ビクともしない。それに今はそういう気分ではなかった。
「いいよ。早く布団いこう」
優はなおも花の首筋に舌を這わず。
首が弱い花はピクピクと肩を揺らす。
そんな気分ではない。
でも、今ここで拒んだら、優の心はもっと離れていってしまう気がした。ここでしなかったら、単身赴任先で、他の女の人と…
そう思うと、これ以上拒めないのだった。
寝室に行き、布団の上に組み敷かれる。
いつもよりも激しい口付けをされる。
何度も唇を啄まれ、ヌルリと舌が入ってくる。
「ん…っ」
何度も繰り返される口付けで、花の口は痺れたようになっていた。
「はぁ…」
頰、顎、首筋と、優の唇と舌が這いまわる。