この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
花の踊り子
第1章 LIVE
「ねぇ、そっちではどう?」
「あー、まぁ、普通にやってるよ。」
「そっちで寂しくない?仕事が休みの時は遊びに行こうかなぁ」
「あー、来たらいいんじゃない? あ、忙しいからじゃあね!」
プップープープー…
携帯を握りしめたまま、藤咲花はため息をついた。
花は新婚1ヶ月。
入籍して2週間もしないうちに、旦那である藤咲優は県外へ単身赴任で行ってしまった。
バタバタとしていたから、もちろんまだ式も挙げていない。
甘い新婚生活を夢見ていた花は、それだけでも寂しいというのに、最近優は電話に出る事も少なく、出たとしてもさっきのように素っ気ない。
「あーあ、新婚ってもっとラブラブなのかと思ってた。」
携帯を放り投げながら冷蔵庫を開ける。
氷を入れたグラスにコーラを注ぐ。これが花の仕事の後の楽しみだ。アルコールは飲めないわけではないが、1人で飲むのは寂しく、家ではほとんど飲まない。
今日も仕事の後、1人で軽く食事を済ませ、電車に揺られて最寄りの駅に着き、帰りのコンビニでコーラを買って帰ってきた。
たまには友達と食事をしたり、飲みに行ったりするが、結婚してからというもの、真面目に家に帰るのだった。
まだ子供もいない花は、この生活はなんだか独身時代みたいだと思っている。
夫の単身赴任が決まった時、実家の両親などは、まだ暫く実家にいたら?と言ってくれたが、花は1人で新居に住む事を選んだ。
寂しいけれど、1人暮らしみたいな生活は気楽だった。
「あ、そういえば郵便が来てたんだった」
リビングのテーブルに散乱した郵便物の中から1つを手に取る。
「2週間後か〜!楽しみ〜!」
郵便物の中身は花が昔から大好きだった女性アーティストのLIVEチケットだった。大人気でなかなか取れないチケットが奇跡的に手に入ったのだ。
(誰を誘おうかな…。やっぱりユキかな)
花は1番気兼ねなく誘えるユキに連絡してみる事にした。
ユキは大学時代からの同級生で、いまでもしょっちゅう連絡を取り、会ったりしている。
特にそのアーティストのファンというわけではないが、快く誘いに乗ってきてくれたユキと、いざ、LIVEに行く事になった。
「あー、まぁ、普通にやってるよ。」
「そっちで寂しくない?仕事が休みの時は遊びに行こうかなぁ」
「あー、来たらいいんじゃない? あ、忙しいからじゃあね!」
プップープープー…
携帯を握りしめたまま、藤咲花はため息をついた。
花は新婚1ヶ月。
入籍して2週間もしないうちに、旦那である藤咲優は県外へ単身赴任で行ってしまった。
バタバタとしていたから、もちろんまだ式も挙げていない。
甘い新婚生活を夢見ていた花は、それだけでも寂しいというのに、最近優は電話に出る事も少なく、出たとしてもさっきのように素っ気ない。
「あーあ、新婚ってもっとラブラブなのかと思ってた。」
携帯を放り投げながら冷蔵庫を開ける。
氷を入れたグラスにコーラを注ぐ。これが花の仕事の後の楽しみだ。アルコールは飲めないわけではないが、1人で飲むのは寂しく、家ではほとんど飲まない。
今日も仕事の後、1人で軽く食事を済ませ、電車に揺られて最寄りの駅に着き、帰りのコンビニでコーラを買って帰ってきた。
たまには友達と食事をしたり、飲みに行ったりするが、結婚してからというもの、真面目に家に帰るのだった。
まだ子供もいない花は、この生活はなんだか独身時代みたいだと思っている。
夫の単身赴任が決まった時、実家の両親などは、まだ暫く実家にいたら?と言ってくれたが、花は1人で新居に住む事を選んだ。
寂しいけれど、1人暮らしみたいな生活は気楽だった。
「あ、そういえば郵便が来てたんだった」
リビングのテーブルに散乱した郵便物の中から1つを手に取る。
「2週間後か〜!楽しみ〜!」
郵便物の中身は花が昔から大好きだった女性アーティストのLIVEチケットだった。大人気でなかなか取れないチケットが奇跡的に手に入ったのだ。
(誰を誘おうかな…。やっぱりユキかな)
花は1番気兼ねなく誘えるユキに連絡してみる事にした。
ユキは大学時代からの同級生で、いまでもしょっちゅう連絡を取り、会ったりしている。
特にそのアーティストのファンというわけではないが、快く誘いに乗ってきてくれたユキと、いざ、LIVEに行く事になった。