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愛姫のあぶない投資性活
第18章 泥沼の愛憎
「と、とにかく、それはまだ解らないから、生理が異常に遅れたら、検査薬で調べてすぐに僕に知らせてよ。それから真剣に考えるから。妊娠してたら、婦人科に行くの付き合うよ。」

「それって、堕ろせってこと?」

「そうじゃない。愛姫ちゃんに迷惑はかけない。責任はなんとしてでも取るよ。僕だって人の親だから。そんな残酷なことは言えない…。」

「じゃ、私が妊娠して出産を覚悟したら、私はシングルマザーになるのね。」

私はそこまで未知のことを拡大して、未来のありもしない物語を構築し、麻木さんを困らせていた。

「まずは、妊娠したかどうかが解ってからだよ。とにかく、愛姫ちゃんが納得できる責任を取るよ。絶対に約束する。僕は今は独身だから、入籍したっていいよ。それが嫌だったら、一生面倒見るよ。出産することになったら、認知して、法律的にも、経済的にも愛姫ちゃんを守るよ。」

「わかったわ。まだ先のことは解らないから…今日は帰って。あとで検査薬でわかったら連絡するから。」

「本当にごめん。愛姫ちゃん…。」

「いいから…。もう帰って…。ヤッて、中に出して、気が済んだでしょ…。」

「愛姫ちゃん…。」

麻木さんは、私の放った強烈な言葉に返答できなくなって、私の身体に布団を被せると、服を着て、帰り支度を始めた。

「ごめん。自宅のベッドまで汚してしまって…。」

私は返答しなかった。

「僕が出たら部屋の鍵をロックするんだよ。必ずしてね、愛姫ちゃん。」

それにも、私は返答しなかった。

麻木さんは、明かりのついていたリビングの電気を消し、無音で画像だけが流れていたCS放送を切って、PCだけは触れずに、廊下の電気を消して帰っていった。外から鍵をロックする音が響いた。そして靴音が遠ざかっていった。

麻木さんが姿を消してから数分後、メールの着信があった。

「今日はごめんなさい。許してくれなくていい。鍵は僕の名刺入れに入れてポストに投函したから。名刺入れは処分してください。‐END‐」

もうこれですべてが終わったと、私は思った。

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