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愛姫のあぶない投資性活
第18章 泥沼の愛憎
私はすすり泣きを続けた。最初は麻木さんを困らせようと演技していたつもりだったが、次第に感情移入して、本物の涙がこぼれてきた。それと同時にどうしようもない悲しみに襲われた。

それは今、麻木さんに無理矢理SEXを強要され、避妊もせずに膣内に射精されたからではない。自分の業に悲しくなった。色恋で男を誘惑利用し、男に性欲を求めて、自分の自信ある肉体と、それを余すことなく駆使した大胆なSEXで、ピュアな男をその気にさせてしまう自分の業に悲しみを覚えたのだ。

デイトレードをひたすら続け、日々金儲けの亡者となり、性格も歪み始め、自己中心的な人間の塊となった自分。

そんな中で、自分の中で眠っていたサイコパス的な性情が表面化した自分。それによって、春日君をも傷つけて別れた。そんな自分。

でも、そんな私の心中など麻木さんは察する術もない。ただ、今した自分の行為を悔いて謝罪を続ける麻木さん。そして半ばそうなるようにし向けた自分。

それら、全てに悲しみを覚えた。

「んっ…んっ…んんっ…。」

枕に顔を埋めて、すすり泣く私に言葉を失って呆然とする麻木さん。

「ごめん。ごめんよ。愛姫ちゃん。お願いだからそれ以上泣かないでくれよ。僕はどうやって詫びればいい?もうここから消えた方がいい?」

言葉を発しない私に、必死で語り掛ける麻木さん。

(そろそろ口をきかないと、麻木さんは帰ってしまうかもしれない。でもそれは嫌。何を言ったらいいだろう。ただ、本当の私の心は麻木さんでも打ち明けられない…。)

「んっ…んっ…麻木さん…。」

「何?何?愛姫ちゃん。やっと口きいてくれたね。」

「私…妊娠しちゃうかも…。」

私は突発的にとんでもない嘘をついた。

「何だって?妊娠?えっ…今日はまずかったの?」

「だって…、麻木さん…無理矢理…。」

「あぁ…。それはすまなかった。でも、妊娠なんて、まだ解らないでしょ?」

「もちろん、まだその危険があるってだけだけど…。でも私…麻木さんがいつも、避妊しないから…心配で基礎体温を計ってアプリで記録してたのよ。いいかげんな計算で避妊してた訳じゃないのよ…。」

私は迫真の演技で嘘をついた。
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