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第1章 序章

怪人が現れたという港にあるリゾートアウトレットが近づいてきた。
氷川の表情が一気に曇る。怪人達が縦横無尽に虐殺を繰り返し、休日の港は海賊の襲撃を思わせる有様だ。

氷川の視界は顔部ユニットのカメラから指揮所のモニターにも反映される。Ｇチェイサーから降りた彼はサイドカウルのトランクからブレイバン専用ハンドガンＧＭ01を引き出した。
〈ＧＭ01、アクティブ。発砲を許可します〉
頭部ユニットに内蔵された小型スピーカーから澄子の声が響き、遠隔操作によって安全装置が解除された。
氷川は怪人達に向かってＧＭ01を構えた。トリガーを引き銃弾を発射する。
―-ガコンッガコンッ!!
大気が震えるような重い銃声が十数回鳴り響く。避ける間もなく的確な射撃が怪人達の頭部を次々と撃ち抜いた。ブシャァと脳髄が砕け散る。怪人達の死体があっと言う間に辺りに転がった。

―-ガチンッ!!
弾切れを起こし、ＧＭ01の槓桿が開き、煙が上がった。怪人達はその場から逃げ出していく。氷川はリロードを開始するが、
〈作戦終了…発砲は控えてください〉
澄子の指示で氷川は動作を止める。戦闘は終了したのだ。
「……了解」
氷川は暗澹たる思いで現場を見つめていた。怪人達を追撃しない上の命令に疑問を抱きながら…。