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初花
第4章 猫柳
己を抱く者が 真に私なのか
確かめるような眼差しで

くちづけの合間に 見上げる琥珀は
濡れて光る






帯を解いて遣り
くちづけをおとしながら

そなえていなかった彼が傷まぬよう
この手で薬を塗りこめ、拡げているさなかに


握り込んだ夜具を離した龍は
私の肩に縋る






…記憶の限りには
彼は自ら手を伸ばしてきたことなどない







夜目にもしろい首すじにくちづければ
ちいさくあがる悦びの声に、震えた私は

熱をあてがうと
幾度か退いては突く事を繰り返しつつ

やがては深く 腰を沈めた。
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